2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on early stage of rolling contact fatigue of rails using real time X-ray imaging with SOI detector
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16H02309
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 敏彦 金沢大学, 人間科学系, 教授 (40251912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 敏喜 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (20470015)
秋田 貢一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 物質科学研究センター, リーダー (10231820)
菖蒲 敬久 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 物質科学研究センター, サブリーダー (90425562)
佐藤 嘉洋 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (00170796)
江尻 正一 岩手医科大学, 教養教育センター, 教授 (40331582)
鷹合 滋樹 石川県工業試験場, 機械金属部, 専門研究員 (00504739)
三井 真吾 金沢大学, 先端科学・イノベーション推進機構, 博士研究員 (10714438)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | レール / 転がり疲労 / X線応力測定 / 回折環 / 残留応力 / 三軸応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄道レールの転がり疲労のメカニズムを解明するため、実路線レールに対するデータ収集を高精度かつ高効率で行うことを本研究の第1の目標とした。この目標を達成するため、結晶レベルの情報を得ることが可能なX線回折法を基礎とし、これを従来より高速化するために新型半導体検出器(一体型SOIピクセル検出器)を導入した回折環計測装置の開発を行った。さらに、回折環データから新解析理論(一般化cosα法)を適用してレール表面に形成される三軸応力テンソル成分を求めるための解析プログラムの開発も行った。また、その際に得ることができる回折環の半価幅を基にして白色層の有無や、結晶状態の評価を行えるようにした。これらのハード面及びソフト面の計測技術の開発は、平成29年度も引き続き実施して完成度を高め、予定通り平成30年度までには実路線に展開できるように進めて行く。以上の他に、これまでに試作してきたイメージングプレート式の同型機による実路線計測を進めた。今年度は、北陸新幹線の金沢駅近郊にて実施し、左右レールの各幅方向における回折環の変化をそれぞれ5mm間隔に計測することに成功した。さらに、得られた回折環から、三軸応力テンソル成分を解析することができた。今後、同様な現場計測を継続して行くことで、レールにおける時系列的な転がり疲労の進行状況を追跡して行く。この間、JR西日本との緊密な連携を行ってきた。具体的には、各実路線におけるレールサンプルの提供を受け、金沢大学でX線試験してレールの転がり疲労状況を解明して行くこと、さらに、その結果を受け、今後、他の有識者を含めての多角的に検討して行くための研究会を平成29年6月を目途に進めることとした。なお、研究協力者による、放射光及び中性子ビームによるレール内部の計測についても基礎段階の測定を実施し、各データの取得を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実路線における現場レールのX線検査に必要なSOI式cosα法装置の開発は順調に進んでいる。また、イメージングプレート式のcosα法装置を用いた実路線データ収集も予定通り実施できている。さらに、研究協力者による各分担テーマも予定通り進められている。とくに、放射光および中性子によるレールの内部観察実験は期待以上のデータが得られており順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、平成29年度中にSOI式の一般化cosα法装置を完成させ、平成30年からの実路線への導入を予定通り進めて行く。また、分担研究者7名による各分担テーマについても予定通り進めて行く。なお、JR西日本の協力体制が予想以上に進む見込みとなり、鉄道保守関係企業、鉄道総合技術研究所、及び、レール鋼メーカー、X線装置メーカー、金属工学関係研究者等の有識者からなる研究会をJR西日本の協力の下で立ち上げて本研究課題の推進に結び付けていく計画を検討している。これにより、研究成果の広がりとともに、本研究成果の応用の道が大きく開かれることが期待できる。
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Research Products
(11 results)