2017 Fiscal Year Annual Research Report
Wetting dynamics coupling with liquid-vapor phase change and surface oxidation at high temperature
Project/Area Number |
16H02315
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 保之 九州大学, 工学研究院, 教授 (70171444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 厚史 九州大学, 工学研究院, 教授 (10243924)
河野 正道 九州大学, 工学研究院, 教授 (50311634)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 伝熱機器 / 液滴 / 酸化被膜 / 熱物性 / 熱伝達 / 噴霧冷却 / 濡れ性 |
Outline of Annual Research Achievements |
噴霧冷却は急速冷却技術の本命であるにもかかわらず,特に超高温域(~1000℃)における物理機構は未解明のままである.本研究では,時間領域サーモリフレクタンス法(TDTR 法)の高速性を利用して,表面酸化の影響を考慮しつつ高温域での固液接触の素過程,すなわち動的な濡れと伝熱機構の解明を目指す.これを達成するために,高度に周囲雰囲気を制御した実験系を構築して固体表面の酸化層の成長過程を詳細に把握するとともに,TDTR 法と高速度赤外画像計測により温度および熱流束分布を計測し,熱力学的過熱限界温度を超えた領域における相変化を利用した急速冷却現象の論争に最終決着をつける. 平成29年度は下記の3項目について実施した. (1)固液接触および動的濡れ観察・・・・・・マイクロジェットディスペンサーで高温面に液滴を射出し,衝突の様子を高速度ビデオをにより観察した.表面処理を行ったいくつのサンプルで実施し,挙動観察を行った.また,加熱冷却による濡れ性変化について雰囲気を制御して接触角の測定を行った. (2)環境雰囲気制御型噴霧伝熱試験装置の構築・・・・・鉄系の材料では表面の酸化皮膜の影響が無視できないため,1000℃レベルの温度領域では,実験中に表面が変化するために環境をコントロ ールして酸化の影響を取り除き,酸化の影響を定量的に評価する必要がある.このため環境雰囲気制御型の試験装置の (3)表面酸化層の影響評価・・・・・・ 純鉄表面に酸化被膜をコントロールしながら形成し,その熱特性をレーザーフラッシュ装置およびDSC等で測定する手順の構築を行った.これにより熱拡散率および比熱の測定データを得た.このデータを用いて固液接触時の固液界面温度が熱力学的過熱限界温度に近い値となることが新たな知見として得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H28年度は予期せぬトラブルにより研究費をH29年度に繰り越して実施したが,現在は当初計画に近い状態で順調に進んでいる.特に当初困難であると考えていた酸化被膜の熱物性を精度よく測定できるようになったことは極めて大きな成果であった.これにより従来から水冷却の分野でなぞとされてきた急冷開始のメカニズムの一端が明らかになってきた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初設定した研究項目は概ね順調にすすんでおり,高温面の濡れ開始温度と酸化被膜の熱物性の関係が明らかになりつつある.H30年度は,当初予定通り,引き続き以下の項目を実施する. (1)固液接触および動的濡れ計測 (2)単一衝突液滴の伝熱機構解明 (3)表面酸化層の影響評価
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Influence of Local Heating on Marangoni Flows and Evaporation Kinetics of Pure Water Drops2017
Author(s)
Askounis, A., Kita, Y., Kohno, M., Takata, Y., Koutsos, V. & Sefiane, K.
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Journal Title
Langmuir
Volume: 33
Pages: 5666-5674
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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