2018 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-low power consumption MEMS antenna with automatic trace function
Project/Area Number |
16H02347
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鈴木 健一郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (70388122)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MEMSアンテナ / フェーズドアレイ / MEMSスイッチ / 移相器 / アレイアンテナ / 高周波特性 / ハイブリッドアンテナ / 低損失 |
Outline of Annual Research Achievements |
IoT無線通信やRF電力送信の分野において注目されているフェイズドアレイアンテナ(PAA)は,RF信号の位相を変化させることにより指向性ビームを走査するものである.我々は,位相を制御する移相器に低損失MEMSスイッチを適用してPAAの高周波回路を簡略化することを目標とし,高抵抗Si,LTCC,有機のそれぞれの基板を用いたMEMS移相器の作製・評価を行った.しかし,移相器表面パターンと裏面グランドを導通するために設けたvia内部の銅ペーストが,MEMSスイッチ作製プロセスの間に溶け出してviaの抵抗が高くなり,移相器の高周波特性が劣化するという問題が発生し,この問題を解決することが必須となっていた.今回は先行研究で問題となったviaの溶解について,TSV技術を用いることで部分的に克服できることを明らかにした.試作した180°switched-line MEMS移相器の測定を行ったところ,Reference-stateおよびDelay-stateのそれぞれの伝送線の挿入損失は1.33 dB (24 GHz)であった.これはシミュレーションとも近い値である.また24 GHzにおいて181.1°の移相量が得られ,シミュレーションの180.0°によく一致した. 試作した移相器を用いたハイブリッドPAAの作製を検討し,接続に必要となるアルミワイヤ接続で発生する損失を評価した.その結果、24 GHzにおいて挿入損失が1.11 dBであり,ハイブリッド実装にアルミワイヤを用いることができることが分かった. 一方,PAAと異なる方式の二種類のアンテナについて基礎検討を行った.一つは流体を用いるもので,広い範囲で周波数を変化させることができることを明らかにした.他は,MEMSアクチュエータを利用した機械振動式アンテナで,高速に広い角度にビームを走査できることをシミュレーションで明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
viaの中の銅が溶けだすという問題の解決にviaの表面を永久レジストで被覆するというプロセスを新たに導入せざるを得ないことがわかった。協力してくれる企業があり、本年度、この企業がもつ永久レジストの特性およびプロセス耐性を慎重に評価するのに時間がとられた。しかし、永久レジストが現在試作中の移相器プロセスに全く重大な影響を与えないこと、また、ほぼ希望通りの特性が得られるという大きな成果を上げることができた。この成果より、今後研究の速度を上げて当初目標を達成する見通しが得られたものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
永久レジストを利用したvia保護プロセスを導入してシリコンおよびLTCC基板の上に移相器を完成させる。次に、試作した移相器をシリコンアンテナと分配器にハイブリッド実装してPAAの特性評価を実施する。 一方、移相器を用いない新規MEMSアンテナの基礎検討が完了し、良好な特性が得られることを明らかにした:一つは、流体を用いて広い周波数帯に対応できるようにしたアンテナであり、試作したデバイスにより期待通りの特性が得られることを実証することができた。もう一つはMEMSアクチュエータを利用した機械振動式アンテナであり、高速高角度に互いに相反する要求を満足できるアンテナの特性を明らかにした。今年度はこれらのアンテナの試作を行って、PAAと特性比較を実施する予定である。
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Research Products
(6 results)