2019 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-low power consumption MEMS antenna with automatic trace function
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16H02347
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鈴木 健一郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (70388122)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MEMS / アンテナ / フェーズドアレイ / ビーム走査 / スイッチ / 流体 / 共振 |
Outline of Annual Research Achievements |
今日、IoT無線通信やRF電力送信の分野で使われるRF信号がミリ波の領域に達するようになり、無線ビームを電気的に走査することができるフェイズドアレイアンテナ(PAA)に大きな注目が集まるようになった。PAAは、ビーム走査に機械的な構造を持たないために高速動作が可能であるが、高周波駆動回路が複雑であることから装置が大型で高価になるという課題があった。我々は、低損失MEMSスイッチを利用してこの高周波移相器回路の簡略化を図ることによって課題を解決しようと研究を進めてきた。しかし、前年までの研究で、移相器表面パターンと裏面グランド板を導通するviaがMEMSスイッチプロセスの途中に溶け出して移相器の高周波特性が劣化するという問題が発生することがわかった。今回、viaを永久レジストを用いて保護することによりこの問題を解決することに成功した。作製したMEMS移相器をアレイアンテナにハイブリッド接続したPAAを評価した結果2ビットのビーム走査を実証することができた。これは国内最初のPAAMEMSアンテナの実証である。 また、PAAに代わる新規アンテナとして研究を開始した機械振動式アンテナ(高速(約1 kHz)で広角度 (> 10°)に走査可能)において、今回、シリコンアンテナ要素を搭載したアクチュエータの設計作製を行った。アンテナ要素を搭載する質量が増大するため、構造全体の設計改良を行い、先行研究とほぼ同等の機械特性でアンテナを動作させることができることが示された。一方、水を利用した周波数可変アンテナは、誘電率の大きい水を搬送させることによって大きな静電容量可変率を実現するというもので、先に、この周波数可変アンテナが複数の広い周波数帯に対応することができることを実証した。今回、シリコン基板を使用してアンテナを大幅に小型化することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PAAの作成について当初予期しなかったプロセス上の問題が発生した。この問題を解決するのに外部企業の協力が必要であり、その条件出しに相当の時間と労力を費やすことになった。現在この問題は解決している。 一方、PAAの代替として研究の開始時点から検討を進めていた研究については順調に進んでおり、この成果発表について大きな注目が集まるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
PAA作成の課題が解決した。PAAを構成するアンテナ要素、移相器、分配器の作製評価も順調に進んでいる。また、これら三つのコンポーネントをハイブリッド接続したアンテナでビーム走査を実証することができた。しかし、アンテナ特性は実装方法に強く依存していることから、実装方法について深く研究をすることが重要である。本年、PAAの実装方法について、アルミワイヤのアンテナ特性への影響について研究を行い、実用化の課題を明確にする。 また、新規アンテナの機械振動および流体アンテナについて実装方法について深く研究を進め、実用化に耐える技術まで鍛える予定である。
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Research Products
(4 results)