2016 Fiscal Year Annual Research Report
無機新材料の利用を核とするコンクリート系複合材料・部材・補修補強技術の開拓と展開
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16H02376
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 慶一 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50324653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Sanjay PAREEK 日本大学, 工学部, 准教授 (20287593)
長江 拓也 名古屋大学, 減災連携研究センター, 准教授 (90402932)
丸山 一平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40363030)
久保田 淳 鹿島建設株式会社(技術研究所), その他部局等, 研究員 (20443723)
佐々木 智大 国立研究開発法人防災科学技術研究所, その他部局等, 主任研究員 (00773409)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジオポリマー / アルカリ活性化材料 / 玄武岩繊維 / 形状記憶合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.銅系形状記憶合金に関する検討 銅を主成分とする形状記憶合金の単結晶部材が量産できる製造プロセスを開発した。通常,金属は多数の結晶粒で構成される。本研究では,単純な熱処理で特定の結晶粒が急激に大きくなる「異常粒成長現象」を引き起こすメカニズムを解明した。また,長さ70センチの単結晶棒材の製造に成功した。実用面では,単結晶形状記憶合金部材の製造に要するコストを飛躍的に低減できる。また,部材を単結晶化することで,変形回復や疲労などの特性を数倍から数十倍に向上でき,建物の耐震性を高める特殊部材としての実用化に道筋がついた。 2.ジオポリマーに関する検討 フライアッシュ、アルカリ溶液、シリカガラスによるアルカリ活性硬化体ならびにゼオライト型ジオポリマーの製造メカニズムについて構成比を変化させて検討した。分析としては、FE-SEM/EDS分析、29Si-、27Al-MAS-NRA、FT-IR、TG/DTG、インデンテーション、である。分析の結果、シリカガラスを用いた場合には、容易にゼオライト型の3次元結合が生成され強度が発展しやすい傾向にあること、フライアッシュにアルカリ活性を与えた場合には、シリカが1次元的に生成され、AlもSiのネットワークの構築に貢献すること、pHが高い場合、NaがSi-ONaを生成して、ネットワークの構築が一定程度発展後に緩慢になることが推察され、強度停滞の要因となることを示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
銅系形状記憶合金の単結晶構造部材の製造技術の開発に成功し,その成果がNature Communicationsに掲載された。これは,研究開始当初,想定していなかった成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
形状記憶合金については,単結晶化による部材の性能向上を定量化するための実験を実施する。また,実験を通して耐食性能を定量化する。ジオポリマーについては,これまでに得られた成果を国際専門誌に投稿する。
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Research Products
(13 results)