2020 Fiscal Year Annual Research Report
トーラスプラズマのHモード輸送障壁形成の定量的研究
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16H02442
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
伊藤 公孝 中部大学, 先端研究センター, 特任教授 (50176327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居田 克巳 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (00184599) [Withdrawn]
杉田 暁 中部大学, 中部高等学術研究所, 准教授 (20650708)
神谷 健作 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部, 上席研究員 (60360426)
佐々木 真 日本大学, 生産工学部, 講師 (70575919)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | H-モード / 輸送障壁モデル / 径電場分岐理論 / 多スケール乱流物理学 / 実験検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、周辺バリア構造のモデルを開拓し、乱流輸送の多段抑制機構の検証法を構想した。そして、電場形成・遷移および多段乱流抑制の実験検証を進めた。水素同位体効果や粒子補給に伴う乱流駆動、電場曲率効果の新しい機構なども見出した。計画は極めて順調に進展し、予想以上の広がりが実現している。 2020年度(および延長された2021年度)においては、特に次のようなテーマについて研究成果が上がった。まず、障壁内の乱流共存という問題の例として、ドリフトモードとダンジェロモードの共存の研究を進めた。障壁内には、局在した強い径電場によって磁力線に沿った強い流れも生まれている。そのため、径電場が強くなりすぎるとダンジェロモードが発生する。このことがType-III ELMと呼ばれる崩壊現象の源であるという仮説を提示していた。実際にHL-2Aトカマク装置で検証することに成功した。ストリーマというメゾスケール揺動状態へと遷移することが主プラズマのエネルギー崩壊をもたらすことも実験で観測することに成功した。これは、従来のELM の通説(MHDモードが発展して崩壊する)に代わる新たな描像である。次に、内部輸送障壁の発生について研究を進めた。発生時の勾配―熱流束の関係をJT-60U実験装置のデータを用いて検討し、そこに遷移があることを見出した。さらに、長距離に及ぶ弾道的な熱輸送を実験的に見出し、その弾道的熱輸送が消失したことで内部輸送障壁が発達することを確認した。 これまでの研究成果をさらに広い自然界の問題に応用し波及効果を増すことにも務めた。 以上のように、理論モデルと実験との比較が進められ揺動計測の実験データ解析も充実し、レビュー論文に成果を取りまとめた。こうした成果は、何十年来の未解明問題(内部輸送障壁の発生、ELM、水素同位体効果、等)に取り組む新たな糸口となるだろう。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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