2019 Fiscal Year Annual Research Report
血管ニッチシグナルによるがん細胞の悪性化機構の解明
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16H02470
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高倉 伸幸 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80291954)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん / 血管内皮細胞 / ニッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
血管は組織に酸素や養分を運搬するという基本的な機能に加え、幹細胞の維持や自己複製に関与するという、いわゆる血管ニッチの概念が徐々に証明されつつある。我々は、自己複製中のがん幹細胞を識別できるマーカー分子を発見し、がん幹細胞は、がん組織の辺縁の血管近傍に局在することを解明してきた。本研究では、がん幹細胞の生態学的適所の破綻による幹細胞性喪失の誘導をはかることを目的とし、腫瘍周囲の血管とがん細胞がどのような細胞間相互作用を行い、がんの悪性化と関わるのか、その分子メカニズムの解明を行うために研究を計画してきた。血管とがん細胞の相互作用という観点で、計画当初からの研究項目に従い、以下の3つの研究項目について研究を行った。平成31年度には以下のような成果を得た。(研究項目1:Galectin-3による転移性血管ニッチの制御)Gal-3の遺伝子プロモーター制御下にEGFPを発現するレポーター遺伝子を構築し、がん細胞に遺伝子導入することで、Gal-3の発現をモニタリングした。血管内皮細胞との相互作用により、がん細胞内のGal-3プロモーター活性は血管内皮細胞と直接に接触することで強く抑制されることが判明した。(研究項目2:可溶性Tie1による血管構造の制御)可溶性のTie1受容体が存在すると腫瘍内血管の成熟化が誘導されたことから、このTie1受容体の血管成熟化における機能を解析した。本年度は、様々な血管成熟化因子の発現を網羅的に解析している段階で終了した。(研究項目3:上皮間葉転換抑制血管ニッチシグナルの解明)血管内皮細胞の種々の培養条件により単離してきた分子の中で、AG1と名付けた分子の解析を行うために、遺伝子欠損マウス、過剰発現マウスを準備した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)