2018 Fiscal Year Annual Research Report
Structural elucidation of active transport by P-type ATPases
Project/Area Number |
16H02499
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊島 近 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (70172210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椛島 佳樹 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (00580573)
小川 治夫 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (40292726)
金井 隆太 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (50598472)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 構造生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年、多数の関連した疾病が認識されるようになり広範な注目を集めているP型ATPase(ポンプ)による能動輸送機構を原子構造に基づいて解明し、究極的には「何故そういう構造が必要なのか」を理解することを目指している。 最も研究が進んでいる筋小胞体Ca2+ポンプ(SERCA)に関しては反応サイクル全体をほぼカバーする10状態の結晶構造を決定できたが、「プロトンの対向輸送を伴うE2状態からE1状態への遷移は蛋白質全体にわたる非常に大きな構造変化を伴うがそれはどういう順に起こるか、またプロトン輸送の意味は何か」「2個のCa2+の結合がしないと燐酸化反応は起きないが、その活性化シグナルとは何か」という重要な問題は未解決のままであった。前者に関しては、昨年度に構造決定に成功した、細胞質側イオン通路のゲート残基の変異体のE2構造に量子化学計算を適用することによって明快な答えを得ることができ、論文を出版した。後者に関しては、Ca2+が1個だけ結合した状態(E1・1Ca2+)の結晶構造解析に成功し、Ca2+ポンプは2個のCa2+結合の前にMg2+やK+など、運搬はしないけれども、Ca2+よりもずっと大量に存在するイオンをCa2+の結合に向けた構造変化の加速のために利用していることを見出した。さらには、制御蛋白質であるphospholamban、sarcolipinとの複合体の結晶構造解析にも成功し、両者の作用の違いをも明らかにすることができた。 ナトリウムポンプに関しては、昨年度に続き、E1・3Na+状態と予想される結晶の予備的構造決定に成功した。その結果、Mg2+が結合していることが判明した。これは古くから知られているMg2+によるNa+の結合阻害を説明するものである。現在、構造の精密化を行なっている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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