2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H02596
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
新美 輝幸 基礎生物学研究所, 進化発生研究部門, 教授 (00293712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大出 高弘 基礎生物学研究所, 進化発生研究部門, 助教 (60742111)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 翅 / 起源 / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者が世界に先駆けて、非モデル昆虫において同定した翅形成マスター遺伝子及び鞘翅形成の鍵となる遺伝子をツールに、ゲノム編集や次世代シークエンス技術の導入によるこれまでにないアプローチから、昆虫翅の起源と多様性獲得に寄与した進化プロセスの理解とその応用を目的とする。 本研究では、解析に適した進化の鍵を握る非モデル昆虫を用い、最新技術に加え、既に確立したRNAi法や形質転換体を用いた遺伝子機能解析法を駆使して、昆虫翅の獲得、翅アイデンティティーの決定、鞘翅形成の分子基盤を解明する。本研究から得られた結果を統合し、昆虫が獲得した最も多様性に富む翅の進化プロセスについて新たな知見を導きだすことを目指す。 本研究課題の迅速な遂行にはゲノム情報が不可欠である。そこで、翅起源の解明のモデルとして有望な原始的な無翅昆虫である総尾目のマダラシミ(Thermobia domestica)(研究代表者と共同研究者らのフローサイトメーターを用いた推定によるゲノムサイズは4.3 Gb)のドラフトゲノム情報を得るため、新学術領域研究「先進ゲノム支援」のサポートにより、次世代シーケンサーを用いて解析した。その結果、マダラシミのゲノムは巨大であるにもかかわらず、スキャホールド長やコンティグ長のN50は比較的良好な結果が得られ、ゲノム領域のクローニングが簡単に遂行できるようになった。さらに、今回得られたゲノム情報は、今後本研究で行うCRISPR/Cas9を利用したゲノム解析にも有効利用できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を遂行する上で重大な問題点などはなく、当初の計画通り概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究遂行上の重大な問題点は現時点ではないため、予定通り研究計画を進める予定である。
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Research Products
(5 results)