2019 Fiscal Year Annual Research Report
Towards understanding the role for DNMT1 to establish Polycomb-mediated gene silencing
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16H02622
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
古関 明彦 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (40225446)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DNMT1 / ポリコム群遺伝子 / CpGアイランド / PRC1 / PRC2 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNMT1/NP95経路とポリコム群遺伝子発現抑制の間にあるリンクを詳細に記載するための研究を実施してきた。今までに、ポリコム群は、ES細胞においてCpGアイランドにKDM2B/PCGF1-PRC1→PRC2→カノニカルPRC1というカスケードを使って抑制性クロマチンを形成して、標的遺伝子群を抑制することを他の研究において明らかにしてきた。これまでに、DNMT1はKDM2Bの下流として作用していることを示し、ポリコム群のリクルートメントに必須であることを示してきた。その一方で、DNMT1の共役因子であるNP95を欠損させてもポリコム群のリクルートメントにはなんのインパクトもないことが明らかになってきた。しかしながら、DNMT1/NP95を二重に欠損したES細胞では、DNMT1欠損によるポリコム群の異常はほぼ完全にキャンセルされることが明らかになった。NP95は、複製フォークに構成的に結合してDNAメチル化維持に寄与することが知られている。DNMT1によるポリコム群制御が、NP95によって制御されることは、DNMT1による制御が複製フォークにおいて起きている可能性を強く示唆する。実際、DNMT1欠損ES細胞において、PRC2の構成要素であるEEDの複製フォークへのリクルートメントが大きく障害される。また、DNMT1は、数多くのポリコム群因子と複合体を形成する。DNMT1とNP95の拮抗を介した制御が、ポリコム群の複製フォークへのリクルートメントを制御し、それがクロマチンの成熟に寄与する可能性を新たに明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した実験を予定通りにこなした。順調に進んでいると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は以下のように研究を進行する予定である。 ①DNMT1/NP95二重欠損ES細胞における複製フォークの状態をより詳細に明らかにし、それぞれの単独欠損による変化との異同を明確にする。これにより、複製フォーク上におけるDNMT1とNP95の拮抗がおこる作用点を見出していくことができると考える。 ②DNMT1やNP95を強制的にクロマチン上に結合させ、各ポリコム群コンポーネントの周辺へのリクルートメントが起こりうるかを検討する。これにより、DNMT1やNP95を欠損したES細胞におけるポリコム群の結合変化が、直接な結合を介した変化であるのかが検証される。また、今までのDNMT1 に対する免疫沈降/ウェスタンブロッティングから、RING1Bが免疫沈降されうる可能性が示された。DNMT1とPRC1の直接的な結合の可能性について、免疫沈降/質量分析によって検証を行う。 ③新生クロマチンの免疫沈降のあとに、DNMT1あるいはNP95による免疫沈降を行い、沈降産物を質量分析により解析する。これにより、複製フォーク近傍で、DNMT1あるいはNP95が構成する複合体の実体が明らかになると考える。このシステムが確立されたところで、それぞれのES細胞を用いた解析を行う。
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Research Products
(12 results)