2016 Fiscal Year Annual Research Report
次世代PETコンセプト「Whole Gamma Imaging」の実証
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16H02641
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
山谷 泰賀 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 計測・線量評価部, チームリーダー(定常) (40392245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70216753)
菅 幹生 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (00294281)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 核医学 / PET / コンプトンカメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
がん診断等で注目を集めるポジトロンCT(PET)はその誕生以来40年間改善が続けられてきた。一方、微小がん・脳内異常たんぱく質の超早期検出や再生医療の可視化など、近年高まる個々の細胞の生体内挙動を追跡するニーズに応えるためには、PETの感度は不十分であり、新しい原理の診断法の発明が求められる。そこで本研究では、全ガンマ線イメージング(Whole Gamma Imaging: WGI)コンセプトを提案し、世界初の実証を行う。WGIは、ガンマ線のすべてを計測して画像化に使うことで、ごく微量の体内物質でもリアルタイムに3次元画像化する。具体的には、44Scなどβ+崩壊とγ線放出がほぼ同時に起こる3γ核種の利用と、コンプトンカメラ兼PET検出器の新規開発とそのリング状配置がポイントである。 511keVの消滅放射線ペアとほぼ同時に1157keVの単一γ線をほぼ100%の確率で発生する半減期約4時間の44Scは、理想的なWGI核種である。消滅放射線ペアの同時計数により限定される線分と、単一γ線のコンプトンイメージングによる円錐表面の交点から、たった1回の崩壊でも核種位置を特定できる。この3γ事象の検出効率を最大化するため、コンプトンカメラ兼PET検出器を新規開発し、測定対象を囲むように配置する。 本研究初年度となる平成28年度は、検出器の設計および予想される画像化性能を確認するための計算機シミュレーションを実施した。また、検出器内での相互作用位置の判定方法を開発するために必要なシミュレーションソフトウェアの整備を完了した。そして、読出し回路開発については、回路の基本設計と先行試作を行った。また、検出器試作のための材料調達としてSi検出素子を設計して特注した。44Sc製造準備についても、当初計画どおり実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)シミュレーション、(2)位置弁別アルゴリズム開発、(3)読出し回路開発、(4)検出器試作・評価、(5)44Sc製造・合成技術のすべてにおいて、計画通り進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)シミュレーション、(2)位置弁別アルゴリズム開発、(3)読出し回路開発、(4)検出器試作・評価、(5)44Sc製造・合成技術のすべてにおいて、当初計画通りの推進を予定している。特に、原理実証に必要な小型試作機の開発に向けて、放射線検出器の開発を重点的に実施する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Whole gamma imaging2017
Author(s)
Taiga Yamaya, Katia Parodi
Organizer
International Open Laboratory Symposium
Place of Presentation
放射線医学総合研究所(千葉県千葉市)
Year and Date
2017-02-28 – 2017-02-28
Int'l Joint Research / Invited
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