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2017 Fiscal Year Annual Research Report

炎症粘膜を背景とした発癌メカニズムの統合的解析

Research Project

Project/Area Number 16H02672
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

渡邉 聡明  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80210920)

Project Period (FY) 2016 – 2017
Keywords炎症性腸疾患 / 発がん / 遺伝子変異
Outline of Annual Research Achievements

潰瘍性大腸炎およびクローン病に代表される炎症性腸疾患は原因不明の難治疾患であり, 本邦の罹患患者数は上昇の一途をたどっている. 炎症性腸疾患の臨床面における課題として, 急性期の炎症コントロールに加えて, 長期罹患症例における発癌リスクが挙げられる. 近年のシーケンス技術の進歩に伴い, 炎症性腸疾患関連癌は通常型大腸癌と全く異なる遺伝子変異プロファイルを呈することが明らかとなってきた一方で, ヒトにおけるその発癌メカニズムの多くはブラックボックスとされている. 本研究では, 腸管上皮幹細胞の永続的培養法であるオルガノイド技術を炎症性腸疾患関連腫瘍に応用し, 次世代シーケンス, 遺伝子発現解析をはじめとした網羅的解析手法により慢性炎症粘膜を背景とした発癌の分子メカニズムを明らかにすることを目的とした.
これまで, 炎症性腸疾患関連腫瘍よりオルガノイドを樹立したという報告はなされていない. そのため, 本研究ではまず解析コホートとなる患者由来オルガノイドパネルを構築するため, 組織学的に診断された炎症性腸疾患関連腫瘍(異型上皮, 癌)計21例よりオルガノイドを樹立した. 通常型大腸癌とは異なり, 関連腫瘍オルガノイドの大半において安定的培養にWntリガンドが必要であった. このうち16例を対象とし, エキソームシーケンスにより遺伝子変異解析を行ったところ, APC遺伝子変異が有意に少なく(5/18例, 28%), この結果は炎症性腸疾患関連癌には通常型大腸癌と比較して有意にWntパスウェイ変異頻度が少ないという既報と合致するものであった. 本オルガノイドパネルはヒト炎症性腸疾患関連腫瘍を体外にて再構築を可能にする初めてのモデルであり, 慢性炎症を背景とした発癌メカニズムの解明や関連癌に特徴的な分子異常を標的とした新たな治療戦略を探索する上で極めて有用なツールを構築したといえる.

Research Progress Status

29年度が最終年度であるため、記載しない。

Strategy for Future Research Activity

29年度が最終年度であるため、記載しない。

URL: 

Published: 2019-03-20  

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