2016 Fiscal Year Annual Research Report
新規転写プラットフォーム因子Zfhx4による内軟骨性骨形成と口蓋形成機構の解明
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16H02686
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 理行 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60294112)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 内軟骨性骨形成 / 転写因子 / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
内軟骨性骨形成におけるZfhx4の機能的役割を明らかにするために、Zfhx4 floxマウスとCol2a1-Creトランスジェニックマウスを交配し、軟骨特異的Zfhx4遺伝子欠損マウスを作製した。(1)軟骨特異的Zfhx4遺伝子欠損マウスは、全身性Zfhx4遺伝子欠損マウスと同様に、アルシアンブルー染色陽性の軟骨を形成し、軟骨細胞の分化が観察されるものの、軟骨基質の石灰化およびマトリックスメタロプロテアーゼ13の発現低下を呈していた。また10型コラーゲンの発現の低下が見られたことに対して、2型コラーゲンの発現は、野生型あるいはコントロールマウスと同程度であった。したがって、Zfhx4遺伝子欠損マウスで観察された内軟骨性骨形成障害は、軟骨細胞の成熟障害に起因すること、さらに、軟骨細胞の石灰化あるいは後期段階の発生過程においては、Zfhx4が重要な役割を果たしていることが、示唆された。(2)軟骨特異的Zfhx4遺伝子欠損マウスにおいても、口蓋裂が認められた。病理組織学的解析により、軟骨特異的Zfhx4遺伝子欠損マウスでは、口蓋棚の挙上に障害が観察された。口蓋棚には、2型コラーゲン陽性細胞が観察されないことから、軟骨特異的Zfhx4遺伝子欠損マウスで見られる口蓋裂の発症には、軟骨細胞の直接的作用でなく、間接的な効果が関係している可能性が推察された。(3)Zfhx4は、転写因子Osterixと細胞核内で極めて類似した局在を示した。またZfhx4は、Osterixと物理的に結合することが、免疫共沈降法により確認された。Zfhx4遺伝子欠損マウスとOsterix遺伝子欠損マウスでよく似た、内軟骨性骨形成障害を認めたことを総合的に鑑みると、Zfhx4はOsterixと協働して内軟骨性骨形成を制御していると考えられた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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