2019 Fiscal Year Annual Research Report
量子ビームを用いた生体組織中の微量元素・微細構造解析技術の開発と診断への応用
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16H02688
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宇尾 基弘 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20242042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 通 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00211029)
櫻田 宏一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10334228)
松葉 豪 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (10378854)
和田 敬広 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10632317)
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 微量金属元素 / 元素分析 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は生体内の微量元素の過不足や局在が種々の病変に関与している可能性を探るため、微量元素の分布・化学状態・微細構造解析手法の複合により、口腔関連組織を中心に微量元素が組織の機能発現や形態、疾患発症機序に関する知見を得ることを目的としている。2019年度は歯質保護や歯質強化機能を目的として歯質に各種イオンをドープする目的の薬剤や歯科材料の効果を明らかにするため、フッ化ジアミン銀(SDF)およびマルチイオン徐放性フィラーから歯質に吸収された各種イオンの経時的濃度変化と、歯質内での浸透状況の可視化、化学状態分析を行った。 マルチイオン徐放フィラーの溶出液に1時間から最大28日まで浸漬したエナメル質に吸収されたSr, Al, B濃度をICP-AESで評価した所、同溶出液への浸漬3時間以内に急速に全ての元素の歯質濃度が上昇し、特にSrの吸収が顕著であった。またSrやBイオンを単独で含む溶液と比較した所、単イオン溶液からの吸収より、マルチイオン同時吸収の方が歯質の吸収が早く、正負イオンの同時吸収で電荷バランスがとれることが吸収促進に繋がることが推測された。顕著な吸収を示したSrについて、EXAFS測定から周囲構造を推定した所、Srイオン浸透の早期から、SrはアパタイトのCaサイトへの取り込みが進行していることが示唆された。 SDFの歯質浸透については、表層から約1mmの深さまでの緩やかなAgとFの浸透がmicro-PIXE/PIGEによって可視化され、通常は分布測定が困難な微量Fについて可視化が可能であり、表面の脱灰状態によって変化する浸透挙動を同手法を用いて元素分布から評価できることが示された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)