2018 Fiscal Year Annual Research Report
がんサバイバーに対する「安全・安心ケアネット」の構築
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16H02696
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小松 浩子 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 教授 (60158300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (30265780)
神田 清子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40134291)
山口 拓洋 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50313101)
住谷 昌彦 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80420420)
矢ヶ崎 香 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 准教授 (80459247)
辻 哲也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (90245639)
小松 康宏 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60195849)
中澤 仁 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (80365486)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がんサバイバー / がん薬物療法 / 皮膚侵害性障害 / 神経侵害性障害 / 無作為化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がんサバイバーの生活拡大の要となる神経系合併症および皮膚侵害性合併症に対する「がん安全・安心ケア」の標準化をめざしている。2018年度は次の成果を得た。 1.「がん安全・安心ケア」モジュール作成、内容妥当性の検証: 1)神経系合併症の横断調査のデータ解析と公表:がん薬物療法による末梢神経障害のある乳がん患者を対象に日常における転倒の実態調査を行った。その結果、末梢神経障害のある対象者のうち40.9% は転倒を経験し、38.4%は機能障害があることが明らかになった。この成果はAsia Pacific Journal of Oncology Nursing に採択された。2)皮膚侵害性合併症の質的研究の実施と公表:皮膚侵害性合併症のうち、がん薬物療法に伴う手足症候群に焦点化し、がん患者20名を対象にインタビュー調査を行った。結果として、がん患者のアンメットニーズを抽出・構造化した。この成果は、European Journal of oncology nursingに採択された。 2.「がん安全・安心ケア」モジュールの基盤:<服薬自己管理支援プログラム>の検証 多施設無作為化比較試験の患者登録、データ収集を完了し、解析、公表に向けて準備を進めた。次年度、成果を海外論文として投稿予定である。 3.「がん安全・安心ケア」モジュールの効果検証 「がん安全・安心ケア」モジュールの一つとして転倒予防eケアを開発するために、末梢神経障害に伴う転倒の経験のあるがん患者にインタビューを行い、転倒未遂や転倒の特徴を明らかにした。さらに、モバイル・ウェアラブルデバイスにより対象者の実生活における身体バランスや感覚の状態、および転倒を引き起こす環境をライフログデータとして収集し、転倒に関与する要因を明らかにすることを目的にアプリを設計、開発し、実態調査を開始した。次年度も引き続き実態調査を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「がん安全・安心ケア」モジュール開発に向けた横断調査ならびに質的研究のデータ解析をすすめ、複数の海外論文として公表に至っている。現在、これらの成果に基づき、Internet of Things(IoT)を用いた「がん安全・安心ケア」モジュール開発の開発を進めている。モバイル・ウェアラブルデバイスの開発をすすめ、対象者の実生活における身体バランスや感覚の状態、および転倒を引き起こす環境をライフログデータとして収集することに時間を要した。そのため、実装までの時期が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
モバイル・ウェアラブルデバイスの開発は理工学分野の研究者が分担研究者として加わっており、パイロットスタディまで漕ぎつけたので来年度、実用性の検証が可能となる。「がん安全・安心ケア」モジュール開発を進めるうえで、医療の質・安全学の専門家を研究分担者に加え、医療者の教育モジュールの作成を進め、多施設共同試験に向けた介入の妥当性を高めることを計画している。Internet of Things(IoT)を用いた「がん安全・安心ケア」モジュール開発とそれを的確に指導する医療者の教育を整えたうえで、多施設共同無作為化試験を的確に進めていく。
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Research Products
(4 results)