2018 Fiscal Year Annual Research Report
Forest determinant factors and the effects of precipitation shift under global climate changeo in Thailand
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16H02708
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 厚 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60343787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 智之 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00414483)
山路 恵子 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (00420076)
前田 高尚 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (10357981)
吉村 謙一 山形大学, 農学部, 准教授 (20640717)
矢崎 健一 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30353890)
安立 美奈子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (40450275)
横沢 正幸 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80354124)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 熱帯季節林 / 温暖化 / フェノロジー / 森林火災 / 降水量変動 / 光合成 / 気孔コンダクタンス / 蒸散流 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、タイの様々な森林タイプの葉の生理特性のデータベースの作成を行っている。今年度は、タイのプーカオ試験地の二つの異なった乾期落葉樹林において、様々な樹種の林冠葉の採取を行い、光合成、気孔コンダクタンスの測定を行った。その後、これらの測定葉から葉片を切り出し、単位葉面積あたりの乾燥重量を測定した。また今後、この葉片を用いて、葉内の窒素やリン、カルシウムなどの微量元素の含量測定をおこなっていく。 またタイの落葉樹林のフタバガキ科の成木について、林冠葉にアクセスできる林冠タワーを設置し、その林冠タワーを使って、微気象と幹や枝部の蒸散流速の測定機器とデータロガーを設置し、微気象や蒸散流の季節変化の測定を開始した。また葉や花のフェノロジーや森林火災をモニターするため、そのタワー上部にカメラシステムを設置し、毎日自動で定点撮影を開始した。さらにそのタワー脇で、土壌呼吸を毎日自動測定できるように、土壌呼吸測定システムを設置し、毎日自動で定点測定を開始した。 その林冠タワーを用いて、野外樹木の林冠部の枝と幹部に蒸散流計を設置し自動測定を開始した。さらに新たに葉脈の蒸散流計を測定できるようなマイクロセンサーの開発を行ったので、2019年度に野外での測定を開始できるような目処をつけた。これらのシステムによって、降水量変動に対する樹木のフェノロジーや生理応答を測定できるようにした。 またこれらの測定のほか、パーマネントプロットでの森林動態(樹木の幹部成長や樹木枯死)の測定も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
林冠タワーの設置に時間がかかったが、微気象や樹木生理の測定機器を林冠タワーに設置し、それらの季節変化の測定を開始することができた。また、樹木生理データベースの作成のための測定や、パーマネントプロットでの森林動態の測定も行うことができた。 さらに林冠部の枝と幹部に蒸散流計を樹木に設置し、新たに葉脈の蒸散流計を測定できるような蒸散流マイクロセンサーの開発までを、香川大学と協力し国内で行った。2019年度に、実際にタイのフタバガキ科成木の林冠葉の葉脈に蒸散流マイクロセンサーを設置し、葉脈内での水の流速を測定する目処を立てた。これは世界的にもまだほとんどデータが無く、高い新規性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
雷などによって、微気象や樹木生理の測定機器の故障がよくあるので、機器のメンテナンスを行い、長期モニタリングの体制を固めていく。また林冠タワーを使って、自動測定ができない、光合成速度、気孔コンダクタンス、葉の水ポテンシャルの季節変化の測定を行う。さらに新たに香川大学と協力し、葉脈の蒸散流計を測定できるようなマイクロセンサーの開発を行っってきた。実際にその蒸散流計をマイクロセンサーを野外樹木の林冠葉に設置し、測定を試みる。それによってフタバガキ科成木の、幹から枝、葉脈の道管内の水の流れの同時モニタリングを開始する。
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Research Products
(10 results)