2019 Fiscal Year Annual Research Report
近年の温暖化によるケニア山の氷河縮小と水環境の変化が地域社会に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
16H02714
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水野 一晴 京都大学, 文学研究科, 教授 (10293929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 済 日本大学, 文理学部, 教授 (10239650)
手代木 功基 摂南大学, 外国語学部, 講師 (10635080)
孫 暁剛 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任准教授 (20402753)
奈良間 千之 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50462205)
荒木 美奈子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (60303880)
小坂 康之 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70444487)
山縣 耕太郎 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80239855)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 温暖化 / 氷河縮小 / 水環境 / 植生遷移 / 農業 / 地域社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケニア山ティンダル氷河前面に分布するネオグラシエーション期および小氷期に形成されたモレーンのリッジ上とモレーン間凹地においてピットを作成して土壌断面を観察した。その結果、時間経過と対応して系統的に土壌層厚が増大していくことが確認された。 セスナ機から1 秒間隔でケニア山の氷河の上空で周辺の地形も含めた写真の撮影をおこなった。セスナ機からの空撮画像とSfMソフトのPix4D Promapperを用いて、氷河の地形表層モデル(DSM)を作成した。2016年2月から2018年8月までの30ヵ月間の六つの氷河の平均質量収支は-3.6m w.e.であり、この期間すべての氷河表面で質量の収支は負であった。 ケニア山の氷河後退域におけるジャイアント・セネシオ(Senecio keniodendron)とジャイアント・ロベリア(Lobelia telekii)の分布と生存・枯死の動態を明らかにした。ティンダル氷河の周辺における調査から、2種の分布と環境要因との関係として日射量が関係していることが示唆された。 ジャイアント・セネシオを用いた古環境復元に関する調査を実施した。まず、幹の最も古いと予想される葉を採取し、放射性炭素年代測定を行った。その結果、樹高約2mの個体の最も古い部分にあたる葉の年代は1958-1960年に形成されたことがわかった。ジャイアント・セネシオの成長率は4.5cm/年であると推測でき、高山帯の調査中に確認された3m以上の個体の樹齢は60年以上になると予想された。 温暖化にともなうケニア山の環境変化が地域社会に与える影響を明らかにするために、地域住民にとって重要な経済活動である登山観光業に注目して調査を行なった。具体的には、登山客が利用する山頂付近の山小屋に滞在し、登山ガイド、登山客の荷物を運ぶポーター、外国人登山客、そして小屋の管理人を対象に聞き取り調査を行なった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)