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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Studies on the influence of Palmyrene and their cultural aspects in the Tylos culture, Bahrain

Research Project

Project/Area Number 16H02725
Research InstitutionKashihara Archaeological Institute , Nara prefecture

Principal Investigator

西藤 清秀  奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別職非常勤職員 (80250372)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉村 和昭  奈良県立橿原考古学研究所, 附属博物館学芸課, 課長 (10250375)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2021-03-31
Keywordsバハレーン / ティロス / 古墳 / パルミラ / 人骨 / 真珠貝
Outline of Annual Research Achievements

パルミラ人は、紀元前2世紀から紀元後3世紀に海路にも隊商を編成し、東はインドまで進出し、バハレーンは格好の寄港地・基地として利用され、パルミラ人のティロス社会への進出も生み出している。本研究ではティロス期の墓の考古学調査と種々の学術領域や手法を用いて、パルミラ社会とティロス社会の交流を可視化する。2019年度、マカバ(Maqaba)1号墳の発掘調査、三次元計測、人骨・遺物の精査を実施した。発掘調査では4基の漆喰棺の完掘と5基の漆喰棺の検出を行い、少なくとも5点の成果を得た。第1は、未盗掘の漆喰棺F-0063を検出し、遺体にストライプ状の有機質を組み合わせた被せ物を施した埋葬状態と副葬品の位置と種類に特色があった。特に左手の甲付近から出土した革袋入り硬貨は、過去数百基も発掘されているティロス期の古墳では初例である。第2は、F-0056の棺長辺側にはパルミラで認められるような水鉢状の施設が付随する形で検出でき、さらに盗掘を受けているが、遺存状態の良好な若年から成人の男性の人骨を検出し、今後の理化学的な分析が楽しみな1体である。第3は、棺への供献土器である。F-0056、F-0062、F-0063の棺蓋石上から完形の施釉陶器碗が各1点、供献時の状態を保ち出土し、今後のティロス期の供献土器の在り方を探る上で重要な例となった。第4は子供を葬ったと思われるF-0064から10枚の真珠貝が出土した。既往の発掘例から真珠貝と子供がティロス期に密接に関係しているが、今回の例はその中でも最も多くの貝が副葬品された墓である。第5は、F-0049では棺外側に周壁を設けた新たな形態の墓の発見である。このように従来ティロスの墓ではあまり認められなかった5点の要素が今回の調査で確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2017年、本格的に発掘調査に取り掛かり、3年にわたってマカバ1号墳の発掘調査を実施した。発掘初年度は徹底した盗掘のため副葬品、人骨、埋葬方法等の情報が何ら得ることができなかったが、棺の構造がおぼろげながら理解できた。しかし、2018・2019年度の調査では、未盗掘の棺を2基発掘し、さらに盗掘は受けているが、副葬品や理化学分析に耐えうる人骨が出土した。しかし、その数は十分ではない。さらにバハレーン政府から提供を受ける筈であった全ての人骨が、出土地や時期の情報が混乱していて、使用できないことが判明した。これは、研究目的を遂行する上でかなりの痛手である。なお、2020年度が調査マカバ1号墳の調査の最終年度に当たるが、この調査によって研究目的を達成するために最も重要な人骨を入手し、パルミラ人や東地中海からの人々のバハレーン・ティロスの関わりを見つけることに期待している。研究全体の進捗状況は、良くない。

Strategy for Future Research Activity

マカバ1号墳の発掘調査は、バハレーン文化省考古遺産局の全面的な協力のもと順調に進んでいるが、2020年度が最終年度であるが、コロナ禍により、現地での調査が可能であるのか、全く不透明である。しかし、コロナ禍が落ち着き、渡航が可能な状態になれば、2021年1月~2月にマカバ1号墳のNE地区とSE地区を中心に調査を行う予定である。この3年間の調査により、埋葬施設の形態と副葬品の種類と配置等の理解が深まり、調査が効率良く進行できるようになった。さらに出土した人骨やフランス隊やバハレーン隊から提供を受ける予定のティロス期の人骨の理化学的調査・分析を通してマカバ1号墳ばかりでなく、バハレーンのティロス期の人々のあらゆる情報を抽出し、パルミラを含めた東地中海から湾岸地域への人の移入に関わる情報を抽出したいと考えている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] シリア・パルミラ人の痕跡を求めてーバハレーン、マカバ古墳群第1号墳第四次調査2019―2020

    • Author(s)
      西藤清秀・吉村和昭・岡崎健治・大藪由美子他
    • Journal Title

      第27回西アジア発掘調査報告会報告集―令和元年度考古学が語る古代オリエント

      Volume: 27 Pages: 85-90

  • [Journal Article] バハレーン、ワーディー・アッ=サイル考古学プロジェクト第5次調査の報告2019

    • Author(s)
      安倍雅史・上杉彰紀・西藤清秀他
    • Journal Title

      オリエント

      Volume: 62 Pages: 183-184

    • Open Access
  • [Presentation] ディルムン・リファー型古墳の年代の再考2019

    • Author(s)
      安倍雅史・上杉彰紀・西藤清秀他
    • Organizer
      第24回日本西アジア考古学会
  • [Presentation] バハレーン、ワーディー・アッ=サイル考古学プロジェクト2019-2019

    • Author(s)
      後藤健・西藤清秀・上杉彰紀・安倍雅史
    • Organizer
      第24回日本西アジア考古学会
  • [Presentation] バハレーン、ワーディー・アッ=サイル考古学プロジェクト第5次調査の報告2019

    • Author(s)
      安倍雅史・上杉彰紀・西藤清秀
    • Organizer
      第61回日本オリエント学会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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