2018 Fiscal Year Annual Research Report
The position of "Green Revolution" in the economic development of sub-Saharan Africa: comparisons with Asia
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16H02733
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 武司 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40343769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加治佐 敬 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (50377131)
中野 優子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60648674)
木島 陽子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70401718)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 海外学術調査 / 緑の革命 / サブサハラ・アフリカ / パネル・データ / 稲作 |
Outline of Annual Research Achievements |
ザンビアでは2018年にコメの種子の販売実験を実施した.そこでは,精米のための交通費を補助するクーポンを無作為に選んだ夫婦のどちらか一方に渡すことで,種子購入の際の夫婦間の交渉を検証した.2019年には,コメの作付の実演講習を行うにあたって,無作為に選んだ夫婦のいずれかに招待状を渡し,夫婦間の情報共有の効果を検証した.いずれの結果も,稲作は家計の経済活動ではなく,個人の経済活動であることを示唆している.ガーナでは,2018年に実施したベースライン調査に続き,2019年には無作為に選んだ稲作農家に籾米等級制度に関する情報を提供し,米の品質向上に関する意識や行動の変容を引き起こすことの因果効果を分析した。モザンビークでは2018年には前年に完了したベースライン調査の整理を行い、2019年に圃場の均平化と稲の正条植えの普及とコメ生産性へのインパクトを検証できるよう中間調査を企画し,実施した.この中間調査は2020年まで継続して完了する予定である.タンザニアは2018年に実施した広域の稲作技術調査に基づき,2019年には稲作の機械化の進展要因について分析を進めた.また,同時に精米所の技術高度化についても小規模な調査を実施し,論文として取りまとめた.ケニアでは,2019年に大規模灌漑地区を対象に家計調査を実施した.同地区では2012年から2017年にかけてJICAが技術普及プロジェクトを実施したので,プロジェクト前の2011年に実施した家計調査を利用し,同じ農家を再調査することで,プロジェクトのインパクトを評価した.コートジボワールについては2018年に開始した稲作農家の家計調査を2019年にまで継続して完了した.2002年から2011年まで続いた内戦が稲作技術にどのような影響を与えたかを分析する予定である.セネガルでは2019年に予備調査を実施し,2020年の本調査の実施に備えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
対象国における家計調査がほぼ予定通りに実施されデータが集まっていることに加えて,すでに複数の査読付き論文が出版されたことは計画以上の進展であるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
ザンビア,ガーナ,タンザニア,コートジボワールについては,すでに完了した調査データに基づく論文執筆と投稿を進める.モザンビークについては,2020年度にも調査を継続するが,終了後は早急に取りまとめる.2020年度に調査実施を計画しているセネガルについては,新型コロナウイルス感染症の影響によりいつ調査が実施できるか未定である.セネガルの調査は2020年度の後半に実施することになってもやむを得ない.
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Research Products
(79 results)