2018 Fiscal Year Annual Research Report
Environmental factors and phylogenetic constraints influencing a risk of tree mortality by ambrosia beetle attacks
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16H02760
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 直人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90303255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 大 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (80540608)
竹本 周平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90724724)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | キクイムシ / 寄主植物 / 系統関係 / 群集動態 / 非平衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
マレーシア国サバ州ロンミオにおいて2018年7、12、2019年3月に、採集を行った。採集場所は、北緯4度、標高約1600mに位置する天然林、二次林、オイルパームのプランテーションの3箇所に、エタノールを誘引剤、プロピレングリコールを保存剤として用いたトラップを各地点に3基設置した。また、現地の森林所有者が燃料用、開拓、集材のために伐採した樹木を購入して、割材することによりキクイムシ類を採集した。割材からは約60種、エタノールトラップでもほぼ同数のキクイムシ類が採集された。採集されたキクイムシ類は形態種にソーティングした後、元チェンマイ大学教授のRoger Beaver博士に同定を依頼した。約9割の形態種が同定済みである。伐採木から採集されたキクイムシは、調査回の影響が強く表れ、熱帯において群集の時間的変動が大きいことが示唆された。これらの結果は、熱帯においても温帯における季節にともなる種の置き換わりと同様に、種構成の変化が生じている可能性が示された。一方で、樹種と直径の有意な影響が認められた。エタノールトラップで採集された群集は、調査地間では二次林で最も多様性が高くなった。調査置換で類似度を調べると、天然林とオイルパームのプランテーション間の類似度が高く、植生よりも距離の影響が強く現れた。また、群集組成に及ぼす影響は、試験地の影響よりも、回収日の影響が強く現れた。これらの結果は、熱帯においてもキクイムシ群集の時間的変動が大きいことを示唆していた。国立台湾大学の研究協力者と共同でDNA解析を進め、キクイムシについては、ミトコンドリアDNAの全解析が軌道に乗り始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キクイムシのミトゲノミックス解析は軌道に乗ったが、共生菌の解析が難航している
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサーを用いたキクイムシのミトコンドリア全領域の解読、同じく次世代シーケンサーを用いた、キクイムシの共生微生物の解析を行う。台湾での調査、並行して北海道でも調査を行い、北緯4度~43度の範囲の5地点を比較する。
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Research Products
(8 results)