2016 Fiscal Year Annual Research Report
Early biomarkers for prediction of complications in chronic Chagas disease
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16H02770
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
江口 晋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404218)
吉岡 浩太 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 客員研究員 (80750041) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 慢性感染症 / シャーガス病 / ボリビア / 拡張型心筋症 / 巨大結腸症 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は5年計画の一年目として、全体の計画を実地に即して具体的にまとめる作業を行った。現地の共同研究者と協議を重ね、以下のような計画をまとめ、具体的な役割分担を行った。また倫理審査委員会への申請準備をほぼ完了し、日本ボリビア両施設間の覚書の内容確認を終了した。まず全体の研究目的として以下の2項目を確認した。 1.慢性シャーガス病の実態を把握するため、原虫感染率5%の高度流行地出身の若年成人を対象に大学ベースコホートを設定し、心電図および胸腹部X線検査、注腸造影、腸管機能検査により、早期に観察される心臓および消化管の特徴的な病態を観察し、若年成人の慢性患者における早期合併症の有無を明らかにする。 2.心臓型、消化管型シャーガス病群、無症候シャーガス病群、および非感染対照群の血症および血液由来のタンパク、DNA/RNAを解析し、合併症を早期に診断できるバイオマーカーあるいは遺伝子多型の探索を行い患者の早期発見と合併症の予防治療につながる予測因子を発見する。 上記の目的のため、次年度の本格的な調査研究のためのプロトコールを以下のように作成した。 大学コホート研究 サンタクルース市のGabriel Rene Moreno自由大学(UAGRM)に2017年入学のバイエグアンデおよびカミリ分校の大学生2500名について、シャーガス病の血清診断を行い、陽性の学生約125名および陰性対照となる約100名について、同意書取得後、心電図および胸腹部X線検査、注腸造影、腸管機能検査を施行する。特殊検査である腸管機能検査以外については、大学の用意する公的な保険を適用する。データ解析にあたっては長崎大学病院の専門家の協力を得る(江口、前村)。次年度早期に上記の研究計画についての倫理委員会の承認を得、さらに研究所と薬学生化学部との共同研究に関する覚書を締結する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
若年者の慢性シャーガス病患者を流行地からランダムに検出する方法を模索する必要があり、種々の方法を想定していたが、地域コミュニティーに直接入る方法よりも、地域の大学と協力してスクリーニングするほうが、大学生というバイアスが入ったとしても、より効率的な方法であることが分かり、プロトコールをほぼ問題なく作成することができた。また、現地の保健衛生問題としても重要であることから、地域の保健省および大学からのバックアップを得ることができ、検査や診療費を一部保険によりカバーされることにより、研究費の不足を補うことができる目安が立った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では地域コミュニティーでの健康診断活動を起点とすることになっていたが、幸い大学の全面的な協力得ることができ、大学コホートとして大きく研究計画を変更した。次年度から血清診断が始まり、合併症の初期診断を現地の専門医療機関と協力して行う予定である。
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Research Products
(1 results)