2020 Fiscal Year Annual Research Report
Early biomarkers for prediction of complications in chronic Chagas disease
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16H02770
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
江口 晋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404218)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 慢性シャーガス病 / ボリビア / クルーズトリパノソーマ / 原虫感染症 / 昆虫媒介感染症 / 拡張型心筋症 / 巨大結腸症 / 早期診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
具体的内容 中南米地域の風土病であるシャーガス病は細胞内寄生性原虫であるクルーズトリパノソーマ感染症である。感染型の原虫は吸血性の昆虫であるサシガメの腸内で増殖し、その糞を介してヒトや哺乳動物に感染する。2000年台に始まったWHOによる制圧対策によりサシガメや感染者の減少は顕著であるが、撲滅は困難で、慢性感染の治療薬もないために、慢性の患者が6百万人以上と見積もられている。PAHOによると、妊娠可能な年齢の女性112万人が感染しており、毎年約9000人の感染児が生まれ、この地域のシャーガス病の新規症例の20%以上を占めていると推定されている。南米でも最も罹患率の高いボリビアでは、慢性シャーガス病による心臓病や消化器疾患により若年での死亡が顕著に見られ、早期診断と重症化の予防治療が課題となっている。本研究では、サンタクルース市の国立総合大学の新入生を対象に、20歳前後の若年層での早期重症化群を同定し、末梢血中の重症化に特徴的なバイオマーカーの検出を目的として研究を行った。新入生約120名に心電図、胸部X線、及び大腸造影検査を実施し、慢性シャーガス病の診断を行った。そのうち、シャーガス病陽性者52名、陰性者46名がすべての検査を受診し、典型的な伝導異常あるいはメガコロン像をしめす者がそれぞれ15%、10%に観られた。しかし、予想に反し陽性者、陰性者のいずれからもほぼ同じ頻度で異常が見つかったため、慢性シャーガス病の診断の根拠とした特異抗体以外にさらに感度の高いPCR法などによる診断法の再検討を行っている。 意義と重要性 慢性患者の病態管理を行う上で、より早期に重症化する患者が見つかったことは重要で、しかも感染後抗体価の低下した患者においても重症化のリスクのあることが示唆され、これらの患者に特徴的なバイオマーカーの同定をさらに進めたい。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)