2018 Fiscal Year Annual Research Report
Theory and Practice of Succinct Data Structures
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16H02781
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
定兼 邦彦 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (20323090)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 簡潔データ構造 / ビッグデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
単調増加列についての簡潔データ構造を開発した.これは数列の指定した箇所の要素を求める演算と,指定した値よりも小さい要素の個数を求める演算を定数時間で実行できる.既存のデータ構造では,数列が疎,つまり数列の値域に比べてデータ数が少ない場合には定数時間でこれらの操作を実現できないが,提案手法ではそれが可能となった.これにより,数列を圧縮して保存しつつ,高速なアクセスが可能となった. また,区間LCP問題についての省スペースデータ構造を開発した.この問題は,文字列中の区間が与えられたときに,その中に存在する2つの接尾辞で,共通接頭辞が最長のものを求める問題である.既存のデータ構造ではサイズが線形ではなかったため長い文字列に対して適用できなかったが,提案手法では線形サイズのデータ構造になった. また,ラベル付きグラフにおいて,節点間の類似度を定義する手法を与えた.これは,節点から距離 q の全ての節点までのパスの集合を用いる手法であり,類似度はパスの集合間の距離で定義される.厳密な計算は時間が掛かるため,ランダムアルゴリズムを提案した.実験により,既存手法よりも高速であることが示された. 動的グラフにおいて,深さ優先探索 (DFS) を効率的に行う省スペースデータ構造を開発した.動的グラフとは,節点や枝の挿入・削除が可能なグラフである.これらの操作によりグラフが変更された場合,その DFS は大きく変更される場合がある.そのような場合にも高速に新しい DFS を求めるためのデータ構造を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な問題に対し,省スペースなデータ構造を開発できた.
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Strategy for Future Research Activity |
計算時間を少し増やすことで,データ構造のサイズをさらに削減する手法等について検討する.
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