2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H02798
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
品川 高廣 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (40361745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和彦 筑波大学, システム情報系, 教授 (90224493)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 仮想化技術 / オペレーティングシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は3つのサブテーマについて研究をおこなった。(1)ベアメタルマシンのライブマイグレーションについては、仮想マシンではなく物理マシン上で動作しているOSのライブマイグレーションを実現する仕組みについて研究している。今年度は主にマルチコアCPUへの対応と性能評価を中心におこなった。APIC(Advanced Programmable Interrupt Controller)の状態や複数のCPUのVMCS(Virtual Machine Control Structure)の内容を適切に取得・設定することでマルチコアマシン間のマイグレーションが可能になった。性能評価によりベアメタルマシン上と同等の性能を実現できることを確認した。 (2)I/Oレベルのフォルトインジェクションによるデバイスドライバの信頼性向上については、数多くのデバイスのテストを容易に実施できるようにするためのテストの自動化の仕組みを構築して、OSやデバイスドライバが不具合を起こしたことを検知して再起動してテストを続行できるようにした。具体的には、OSのハングアップを検出して再起動するハードウェアを制作したり、Pythonスクリプトでハイパーバイザに指令を送る仕組みなどを実装した。実際にWindowsとLinuxで5種類のデバイス(NIC、オーディオ、USB、NVMeなど)、10種類のデバイスドライバの信頼性をテストして、複数のデバイスドライバにおけるバグを発見した。 (3)不揮発性メモリのためのストレージ管理基盤では、Key-Value StoreをNICからダイレクトに不揮発性メモリの保存できるようにすることで、10Gbpsイーサネットなどの高速デバイスでも性能を発揮できるようにする研究をおこなった。Intel Flow Directorなどハードウェア機能を最大限活用することでオーバーヘッドを抑えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)ベアメタルマシンのライブマイグレーションについては、実装が順調に進み詳細な評価もおこなって、Transaction論文にまとめる段階まで来ている。(2)I/Oレベルのフォルトインジェクションによるデバイスドライバの信頼性向上についても、多数のデバイスへの対応が順調に進み、もう少し評価を追加することでTransaction論文が執筆できるところまで来ている。(3)については、若干テーマの修正をおこなったが、詳細設計は順調に進んでおり、現在は実装を進めている段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ベアメタルマシンのライブマイグレーションについては、Transaction論文の投稿をおこなう。(2)I/Oレベルのフォルトインジェクションによるデバイスドライバの信頼性向上についても、実験の追加とTransaction論文の投稿をおこなう。(3)については、実装を進めて評価をおこなう。また、(4)ベアメタルマシンのサンドボックス化や(5)モバイルコードによるネットワーク管理についても、新たに詳細設計をおこなって研究を進めていく。
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Research Products
(4 results)