2016 Fiscal Year Annual Research Report
次世代モバイルアプリのための軽量エージェントを用いた階層型クラウドアーキテクチャ
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16H02806
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
飯田 勝吉 北海道大学, 情報基盤センター, 准教授 (00332768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古閑 宏幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20433401)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 第5世代携帯電話網 / モバイルエッジコンピューティング / 輻輳制御 / 超低遅延サービス / TCP公平性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.広帯域基地局を有効活用する方法の確立 近年開発が進められている第5世代携帯電話網(5G網)は帯域幅が大幅に異なる基地局を組み合わせて構成される。超広帯域の基地局と接続することで、大容量ファイル転送等これまで実現が困難であったサービスの提供が可能になる。しかし、基地局の種別が切り替わった際にTCPの輻輳制御がそれに適応できず、十分な性能の提供が困難になると考えられる。そこで本研究では,超広帯域の基地局と狭帯域の基地局に適応可能な輻輳制御切替方式を提案し、その性能を明らかにした。 2.超低遅延サービスのためのモバイルエッジコンピューティングの基礎モデルの確立 5G網では無線区間での伝搬遅延1ms以下という超低遅延伝送を可能とする。しかし、サービスを確立するためには、何らかの計算をするサーバが必要で、サーバが遠隔地にあった場合に低遅延サービスは実現できない。そこで、網内に小規模のサーバを多数配置するモバイルエッジコンピューティングの利用が検討されている。本研究では、超低遅延サービスのためのモバイルエッジコンピューティングの基礎モデルの確立し、その性能を明らかにした。 3.モバイルエッジコンピューティング環境でのTCP公平性の確立 クラウドコンピューティング環境では、各ユーザのサービス品質はデータセンターまでの距離に依存する。つまり、それぞれの通信フローのRTTが異なるため、TCPによって提供されるスループットが不公平になる。そこで、そのような環境に適したTCP公平性を提供する機構を提案し、その性能を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに1.の研究を論文誌にて発表し、2.の研究の論文誌での採録が決定している。3.の研究はレター誌にて発表し、現在、論文誌に投稿済みの状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.超低遅延サービスのためのモバイルエッジコンピューティングのモデルの拡張 前年度に確立した基礎モデルを拡張し、より現実的なモデルを構築し、その性能を明らかにする。 2.超低遅延サービスのためのモバイルエッジコンピューティングアーキテクチャの基本設計と実装 上記の現実的なモデルに基づく実際のアーキテクチャの基本設計と実装を行う。 3.モバイルエッジコンピューティング環境でのTCP公平性改善 前年度に実施したTCP公平性提供機構は、ボトルネックリンクがデータセンターの外にある場合に公平性が改善できないという課題がある。その課題を解決するための拡張方式を提案し、その性能を明らかにする。
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Research Products
(12 results)