2018 Fiscal Year Annual Research Report
自動車アドホックネットワークにおける情報指向アプローチによる分散情報共有基盤
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16H02811
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
重野 寛 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30306881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋代 智之 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (60306397)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高度交通システム(ITS) / 情報ネットワーク / 自動車アドホックネットワーク / 情報指向ネットワーク / 分散情報共有基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、実際的で複雑な道路環境においても効果的かつ安定した自動車間の情報共有ができるように、昨年度設計した基本的なIC-VANET分散情報共有基盤に、仮想情報提供者・仮想コンテンツストア間協調機構を導入して方式を拡張した。協調機構を導入した分散情報共有基盤の評価をするためのシミュレーション環境を構築し、実際的な道路モデルにおける提案方式の性能や特性を評価した。 文献調査と学術会議での意見交換を通じて、DSRCや5Gの通信技術、ICNの自動車ネットワーク等への適用、ITSアプリケション技術などの研究動向を調査した。 仮想情報提供者や仮想コンテンツストア(仮想ノード)が道路網構造や交通密度に応じて不均質に存在する場合を想定し、仮想情報提供者・仮想コンテンツストア間協調機構を提案した。具体的には、仮想ノードが交差点に配置される想定のもとで地理的な担当範囲を拡大するための仮想ノードへの情報集約手法、仮想ノードが地理的に不規則な配置となる場合でも仮想コンテンツストアの協調ができる仮想ノード優先パケットルーティング手法を提案した。 提案手法を評価するためにシミュレーション・プログラムを実装し、比較的単純な実際の地図を用い、シミュレーション評価を行った。異なる交通車両密度とそれに応じて変化する仮想ノード配置に対して、Data取得率、Data返送ノードの分布、平均通信ホップ数、通信オーバーヘッドの観点から提案方式の性能と特性を評価し、その有効性と課題を示した。 上記に加え、交通車両密度が低い場合に仮想ノードのライフタイムを延長するための仮想ノード維持・交代手法を提案し、単純な道路モデルにおけるシミュレーション評価を行い、その有効性を示した。また、ITSアプリケーションとして前方交通情報取得を想定して、その実現手法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報指向アプローチによる分散情報共有基盤を、実際的で複雑な環境においても効果的かつ安定した情報共有ができるように拡充してきており、その基盤上で実現されるITSアプリケーションを具体的に検討できる段階まできている。今年度、ITSアプリケーションの実現手法の検討をもう少し進めたかったが、これについては次年度に本格的に実施する予定であり、特段の問題はない。全体としては研究計画にしたがって、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を踏まえ、研究計画に基づき推進する。
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