2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Novel Development of Auto-tuning Technologies for Communication Avoiding and Reducing Algorithms
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16H02823
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片桐 孝洋 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (40345434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 大道 東京大学, 地震研究所, 准教授 (80435833)
佐藤 雅彦 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (80455211)
田中 輝雄 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (90622837)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時空間ブロッキング / 自動チューニング / 性能モデル / 通信削減アルゴリズム / データ同化 / スレッド並列化 / メニーコア / マルチコア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下の3つの成果があった。 (1)通信削減を実現する時空間ブロッキングをデータ同化アルゴリズムに適用する、新しい通信削減方式および高性能実装技法の開発を行った。またそのアルゴリズムをMPIおよびOpenMPで実装を行い、複数のスーパーコンピュータ環境で性能評価を行った。その結果、どのような理由で通信削減アルゴリズムが機能するかが明らかとなった。 (2)性能パラメタを自動的に調整し対象プログラムの最適化を行う以下のAT方式の研究を行った。(I)性能パラメタの種類が増えるにしたがい組み合わせの数は増大する。そのため、複数の性能パラメタからなる離散空間上に初期点を決め、その周囲の離散点を調べ、探索方向を決定し、探索方向に対しd-Splineスプライン系の近似関数で線形探索を行う。その直線上で、最適値を推定する方式の改良を行った。(II)探索方向を段階的に増やす手順を考案した。4つの性能パラメタの組合せに対し、対象プログラムへの影響をほとんどなく最適な組み合わせを推定できることを検証した。(III)対象プログラムの実行時間のブレに対する対応を行った。OSの動作、他ユーザとの競合などにより、正当でない実測値が得られることがある。提案手法として、実測した結果が、d-Splineによる推定とかけ離れているときは正当でないことを疑って、そのときのみ再実測を行う手法を開発した。 (3)アプリケーション適用の観点から以下の研究を行った。二流体簡約化方程式に基づいた線形解析コードでは、 (x,y)平面におけるスラブプラズマを仮定し、x方向に中心差分により離散化し、y方向にはフーリエモード展開により離散化する手法の開発を行った。この計算コードは陰的時間積分法を用いた初期値コードとなっており、成長率が非常に小さな固有モードに対しても高速に計算結果を得る手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画は、以下に示す、自動チューニング(AT)時間削減手法の開発と、戦略的な通信回避/通信削減(CA/CR)アルゴリズムの実装評価が主であった:(1)CA/CR用高性能実装開発フェーズ、(2)AT高度化フェーズ、(3)アプリケーション評価フェーズ。 本年に得られた対応する成果として、(1)CA/CRを実装した時空間ブロッキングをデータ同化に行ったアルゴリズムと高性能実装の開発、(2)d-splineを用いたAT手法に対する、探索次元を拡張しても効率的にATが行える新手法の開発、時空間ブロッキングの性能モデルの開発、および、新たなループ変換手法に基づくAT機能の開発、(3)アプリケーション適用評価として実用的なプラズマシミュレーションコードでの機能開発を行い、その有効性を評価した。 以上から、本年度設定した各実施計画に対する成果が出ているため、「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降、以下の項目を推進する。 1.AT高度化フェーズ:平成29年度に開発されたAT方式要素技術を取り入れ、さらなるAT機能の高度化を行い最終仕様の策定を行う。 2.アプリケーション適用評価フェーズ:平成29年度中期以降に設計された新AT仕様に基づき、疎行列反復解法ソルバXabclib、プラズマのシミュレーション、および、データ同化処理で必要となるCA/CR用のAT機能の検証をする。 3.開発コードの公開・保守フェーズ:ソースコードを公開する検討を行う。
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Research Products
(37 results)