2017 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic layout optimization for annotated information visualization
Project/Area Number |
16H02825
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
高橋 成雄 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (40292619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 一帆 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (10506744)
有川 正俊 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任教授 (30202758)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 可視化 / 注釈付き視覚情報 / ラベル配置 / 動的最適化 / コンテキスト / 地図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,情報を可視化する際に,テキストとビジュアル(イラストや画像)の2つの要素が混在する視覚情報を提示する際に,ユーザの視覚分析のコンテキストに見合う,テキストとビジュアルの情報の選択と,その可読性を考慮した最適配置の問題を対象としている.そして,その問題を,動的最適化問題として定式化し,系統的な計算アルゴリズムの構築することが目的である.本研究計画は,A.からF.までの6つの小課題から構成される.そのうち,本年度においては,B.とF. の課題について重点的に対応した. まず,B.「コンテキストとトピックの対応づけ」については,前年度基礎的な実装を終えているA.「トピックモデルの構築」の結果を踏まえ,地図情報を例にとり以下の定式化を実現した.まず注釈テキストを,潜在ディリクレ配分法で得られるトピック集合を基底の重み付き線形和として表現し,その重みベクトルを各注釈の特徴ベクトルとして得る.さらに,地図上の重要な地名についても,同様に特徴ベクトル表現を計算する.これにより,ジオタグなどで直接地名と関連付けられている画像と注釈テキストとの対応付けを,特徴ベクトルの近接関係として実現することができる. 次に.F.「動的ラベル配置の最適化」については,地図情報から一般情報に拡張可能な定式化と実装を行った.特に,時間軸およびスケール軸の変化において,ラベルが突然移動しないように,視覚情報が展開される2次元空間加えて時間軸およびスケール軸の第3軸と組み合わせた3次元空間を考え,その空間においてラベル同士のコンフリクトが生じないような配置の最適化をおこなった.さらには,参照点近傍にラベルを配置する内部ラベル配置手法のみならず,参照点からリーダ線を延ばして離してラベルを配置する外部ラベル配置手法にも定式化を拡張した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,課題 A. のトピックモデル構築の発展部分に加えて,B. のコンテキストとトピックモデルの対応づけ,F. の動的ラベル配置の最適化を中心に研究を行った.当初の計画においては,C. のコンテキスト抽出と可視化要素分解についても取り組む予定であったが,後述のようにアイトラッカーのメーカーが提供するソフトウェアライブラリの仕様変更に伴い,その課題の実施時期を来年度にずらすこととなった.一方,課題 D. と E. そして F. における可視化要素や注釈ラベルの最適配置の定式化と実装に関しては,現段階でほぼその作業を終えており,計画立案時の予想以上に計画が進展している.特に,当初計画には予定がなかった,時間やスケールの変化に応じて連続的にラベル位置を移動させる手法の提案や,最適化手法に遺伝的アルゴリズムなどのメタヒューリスティックに加えて,混合整数計画法などの最適解探索可能な手法など複数の最適化手法を導入できた点は,大きな成果であった. 研究計画全体の各課題の進展状況を調整する必要はあるが,全体としては当初立案していた研究計画は,順調に実行できていると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,まず本年度着手したB.とF.の2つの課題に関して,構築した定式化や実装した手法の整備を行い,高度化および一般化の部分を対応を進めていく.加えて,C.におけるユーザの視覚分析のコンテキストに対応する可視化要素分解は,A.やB.の成果を介して得られる注釈テキストや画像のトピックによる特徴ベクトル表現を基礎に,手法の定式化を目指していく. 本年度は,課題C.「コンテキスト抽出と視覚情報の可視化要素への分解」により深く取り組む予定であったが,本年度導入したアイトラッカーに対話インタフェースを実現する過程において,当初の予定に反しアイトラッカーメーカーが提供するソフトウェアライブラリに仕様変更が行われたため,計画の練り直しが必要となった.具体的には,アイトラッカーは補助的なインタフェースとして用い,実時間処理にこだわらない対話処理の実装方法の模索を想定していたが,新しく提供されるようになったライブラリを用いれば,実時間による注視点追跡処理が可能となり,さらにその取得計測データの信頼性においてもより多くの情報が得られることが判明した.そのため,実装する対話システムの仕様の再検討や評価実験の追加のため,さらなる時間が必要となることから,この部分は次年度において重点的に対応することとした. 今後は,地図情報からより一般の視覚情報へ拡張可能な手法の高度化に加えて,手法の評価作業も同時に進めていく予定である.
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] 第28回国際地図会議・第17回国際地図学協会(臨時)総会(米国・ワシントンDC)参加報告2017
Author(s)
森田 喬, 中埜 貴元, 有川 正俊, Lu Min, 宇根 寛, 太田 守重, 若林 芳樹, 田中 雅大, Si Ruochen, 田部 俊充, 大西 宏治, 小荒井 衛, 政春 尋志, 高橋 成雄, 矢野 桂司, 坂本 圭, 小泉 諒, 桐村 喬, 塚田 野野子
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Journal Title
地図--空間表現の科学
Volume: 55
Pages: 1-22
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