2016 Fiscal Year Annual Research Report
一般化差分部分空間に基づく特徴抽出の完全解明と機能強化
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16H02842
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福井 和広 筑波大学, システム情報系, 教授 (40375423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 英逸 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10580079)
小林 匠 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (30443188)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 一般差分部分空間 / フィッシャー判別分析 / 部分空間表現 / 判別空間 / 特徴抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究課題1】GDS射影メカニズムの完全解明:2クラスにおいて,GDS射影が判別分析の効果を生み出すメカニズムを解明した.まず各部分空間の基底ベクトルセットからフィッシャー判別基準を定義し,これを最大化することで1次元の判別分析空間を求める方法を提案した.これをGeometrical Fisher Discriminant Analysis (GFDA)と名付けた.次ぎにGFDAがGDS射影とFDA(フィシャー判別分析)とほぼ等価であることを,2つの部分空間の成す正準角群と基底ベクトルの幾何学関係に基づく数理解析により明らかにした.これによりGDS射影がフィッシャ基準最大化に基づく方法であることが示された.
【研究課題2】凸錐表現の導入によるGDS射影の機能強化:2つの凸錐の差異を表す凸錐差分部分空間(Convex cone gap subspace)を提案した.まず2つの凸錐体の成す最小角度を凸射影法を用いて求める.次ぎに先に求めた最小角が張る2次元面の直交補空間において,同様に最小角度を求める.これを繰り返してr個の正準角θiを求める.ここで正準角θiを張るベクトルペアをuiとviとし,それらの差分ベクトルをdiとする.r次元GDSはこれらのr個の差分ベクトルdiにより張られる部分空間として定義した.
【研究課題3】検証実験:2クラス識別において,FGDA,GDSおよびFDAがほぼ等価の判別空間を生成し,性能もほぼ同等であることを確認した.これら3つの特徴抽出の有効性を,顔画像データベース(CMU faceとYale data)を用いて検証した.その結果,GDS射影とFGDAはFDAに比べて,学習データ数が少なく,バイアスが掛かっている場合に特に有効であることが分かった.3次元物体データを用いた評価により,凸錐差分部分空間が凸錐間の差異をうまく抽出できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の要である「GDS射影が線形判別分析の効果を生み出すメカニズム(2クラスの場合)」を明らかすることに成功した.加えて当初の計画には無かった,新しい特徴抽出(Geometrical fisher discriminant analysis (GFDA))を提案し,その有効性を検証できた点で,計画以上に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って,クラス数を2から3以上に一般化した場合において,GDS射影のメカニズムを明らかにする.併せて錐差分部分空間の定義を2クラス以上において一般化する.またGDS射影およびGFDAの応用展開を進める.
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