2017 Fiscal Year Annual Research Report
自動運転に関する都市部における全環境を考慮した統合的研究
Project/Area Number |
16H02843
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上條 俊介 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (70334357)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 自動運転 / ディジタル地図 / 運転支援 / LIDAR / self-localization |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、LIDAR, GNSS,車載カメラ,IMU(Inertial Motion Unit)のフュージョンによる自動運転の自車位置を特定する(self-localization)手法の統合研究を目的とする。LIDARによる測位は10cm程度の測位精度を最も確実に達成する方法であるが、周辺をバスやワゴン車等で遮蔽される環境のように、実走行を100%カバーすることは難しい。 初年度は、一ツ橋および新宿のテストベッドにおいて、ステレオカメラおよびLIDARを用いた基礎データの取得を行った。周辺車両に遮られることでlocalizationが難しい場面もみられたが、lateral方向の測位に関しては車線情報が入った二次元地図を参照し、カメラ画像の車線認識機能から得られた情報とマッチングを行うことで、localizationに問題は生じないことが確認できた。 今年度は、首都高の高架下の環境におけるself-localizationの実験を行った。都心の活況では首都高や一般道路の立体交差など、高架下の環境が多く存在する。この環境では、GNSS測位技術は無効となる。また周辺環境も橋梁施設が繰り返し続く単調な環境であり、LiDARやステレオカメラによる測位精度も低下する。そっこで、車線情報と進行方向(longitudinal)の距離からなり、婉曲情報を省略したトポロジカルなディジタル地図を作成し、self-localizationを行う技術を開発し、GNSS非受信環境かつLiDARによる測位が不十分な環境でも必要なlocalizationが可能であることを確認した。 さらに、ディジタル地図のベクターデータにガウシアンエラーを付加したNDTモデルによる表現方法を検討し、Multi-Layer NDTモデルを提案した。Multi-Layer NDTモデルでは、高さ方向の情報を縮退させ、ベクターを二次元に投影する。この単純なディジタル地図を用いたself-localizationによっても十分な位置精度が確保できることが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、LIDAR, GNSS,車載カメラ,IMU(Inertial Motion Unit)のフュージョンによる自動運転の自車位置を特定する(self-localization)手法の統合研究を目的とする。三次元GNSSのアルゴリズムに適用するための三次元地図(ビルの構造を反映したディジタル地図)は、国土地理院が提供する二次元ディジタル地図(道路構造と建造物の二次元境界の情報を含むもの)を活用し、市販のDSMデータを組み合わせて自作した簡便なものである。 これまでの研究で、一ツ橋および新宿のテストベッドにおいて、ステレオカメラおよびLIDARを用いた基礎データの取得を行った。周辺車両に遮られることでlocalizationが難しい場面もみられたが、lateral方向の測位に関しては車線情報が入った二次元地図を参照し、カメラ画像の車線認識機能から得られた情報とマッチングを行うことで、localizationに問題は生じないことが確認できた。 次に、都高の高架下でGNSS測位が無効化される環境におけるself-localizationの実験を行った。二次元かつlongitudinalな情報に特化したディジタル地図を用いることでも十分にself-localizationの精度が確保できることが確認できた。 さらに、ディジタル地図のベクターデータにガウシアンエラーを付加したNDTモデルによる表現方法を検討し、Multi-Layer NDTモデルを提案した。Multi-Layer NDTモデルでは、高さ方向の情報を縮退させ、ベクターを二次元に投影する。この単純なディジタル地図を用いたself-localizationによっても十分な位置精度が確保できることが確認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては、これまでの研究を総合的に検証するために、都市部三次元地図の自動生成方法を構築する。SLAMにとる三次元地図の自動生成では、特に都市部においてRTK-GNSSの精度が著しく低下することから、地図に数メートルから十メートル程度のゆがみが生じるが、この問題が直接的には議論されていない。そこで、本研究では、既存の航空や衛星地図データベースなどSLAMと組み合わせることで、都市部におけるディジタル地図を25cm程度の誤差で構築する技術の研究を行う。 また、車両の位置と向きの推定制度は、motion planningに対して大きな影響を及ぼすと考えられる。これまでのフィージビリティスタディーでは、車両の向きが5度程度ずれると、対向車線情報が1車線ずれることが分かっている。この対向車線の1車線分のずれは、対向車が鵜列レーンにいるか直進レーンにいるかの違いを生むこととなり、右折のmotion planningの安全性にとって重大な問題となる。そこで、今年度は交差点周辺の精度の高い三次元ディジタル地図を構築し、車両向きの推定制度をどの程度まで抑えられるか、右折のmotion planningにどの程度の影響を及ぼすかについて、定量的に検証する。
|
Research Products
(19 results)