2017 Fiscal Year Annual Research Report
高精度ランタイムキャリブレーション視線計測手法とその応用
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16H02860
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長松 隆 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (80314251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 憲太郎 東海大学, 情報理工学部, 准教授 (30435440)
鎌原 淳三 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (60283917)
山本 倫也 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60347606)
田中 直樹 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (90188318)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ユーザインターフェース / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
①アクティブな光源を用いた光軸の推定:カメラの台数、光源の個数が増えた場合に、システム構築が容易となるように、Python(視線の計算)とC++(画像処理)を組み合わせたプログラムの開発を目指し、基本的な部分の実装が終わった。これによりフレキシブルにカメラの数を増やすことが可能となる。角膜での反射光がどの光源から来たのかを識別については、カメラと光源の同期が必要であるので、上記のプログラム開発の完了を待っているところである。 ②ランタイムキャリブレーション手法の実機での検証:①のプログラムは同時に高解像度のカメラを用いたシステム開発となっており、これを用いて、視線計測装置のプロトタイプを実装した。しかしながら、カメラキャリブレーション時の誤差の影響からか眼球の光軸の推定精度の向上には至っていない。このような状況から別のアプローチとして、顕著性マップを用いたランタイムキャリブレーション手法を考案し、実装した。 ③自然光を用いた光軸推定手法:CR-Methodを可視光での視線検出に適用する上で、コンピュータディスプレイが眼球に反射した領域を検出する手法について、偏光フィルタを用いる手法についてその実現可能性を検討した。 ④前方の形状を把握した上でのキャリブレーション手法の開発:注視対象が平面以外の場合について、レーザスキャナにより取得した注視対象物の計測が可能となった。 さらに、年度当初の計画に加えて、遠方を見た場合のランタイムキャリブレーションのシミュレーション、顕著性マップを用いた自動キャリブレーション手法の開発、瞳孔抽出の画像処理の視線推定誤差への影響のシミュレーション、角膜の非球面モデルの推定手法についての推定範囲の拡大、Gaze coneを用いた光源反射のシミュレーションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カメラの解像度を上げても、眼球の光軸の推定精度はある程度までしか上がらない限界のようなものが見えてきた。それ故、当初の予定の注視対象物上で眼球の視軸が交差するという条件によるキャリブレーションは、シミュレーションでは問題なくできるが、光軸の推定精度が悪いと視線の推定値が収束せず発散してしまうため、一般での利用に耐えうる実装は極めて困難であることが分かってきた。しかしながら、別のアプローチとして、顕著性マップを使った方法を行い、良好な結果を得られていることより、概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の手法は、注視対象物上で両眼の視線が交差するという条件を用いたキャリブレーション手法であったが、この手法がノイズに敏感で、一般利用に向いた実装が極めて困難であることが分かってきた。そこで、今年度から眼球の光軸周りの顕著性マップを用いたキャリブレーションについても検討を始めた。この手法では、推定誤差は線形でしか効いてこないため、一般での利用により向いていると推察される。今後は、当初の計画を継続しつつ、こちらの手法も検討していく。
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Research Products
(12 results)