2017 Fiscal Year Annual Research Report
複合現実型視覚刺激によるR-V Dynamics Illusionの研究
Project/Area Number |
16H02861
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
木村 朝子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20324832)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 麻衣 筑波大学, システム情報系, 助教 (30609095)
橋口 哲志 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (70710581)
柴田 史久 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80314425)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 複合現実感 / クロスモーダル / 錯覚 / 重さ / R-V Dynamics Illusion |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究項目 (A) 把持する実物体を剛体に限定した研究】 実物体の質量や液体容量を変更し,各条件下で重さの違いを識別可能な液面容量の弁別閾とその質量を求めることにより,R-V Dynamics Illusionが重さ知覚に与える影響を測定した.その結果,(1)視覚刺激による影響が大きい(より軽く知覚される場合)ほど,弁別閾は増加すること,(2)視覚刺激が重さ知覚に与える影響が大きい(より軽く知覚される場合)ほど,液体容量の重さにおける測定値は大きくなること,がわかった.つまり,視覚刺激が重さ知覚に与える影響が大きいほど,同じ容量をより大きな質量として知覚していることが示唆された.さらに,今回の実験条件では,液体容量の変化に比べ,揺れの有無の方がより重さ知覚に影響を与えることが示唆された. 更に,仮想の剛体に対して振動・聴覚刺激を付与し,衝突感を提示した場合,同錯覚現象に与える影響についても分析した.実験の結果,(3)仮想の球の動きに同期させて振動や衝突音を付与することで,把持物体を異なる重さに知覚すること,がわかった.即ち,内部の運動を想起させる仮想物体に対して,聴覚・触覚刺激を付与し,視覚と相互に作用させることで同錯覚現象に影響を与え触知覚が変化することを明らかにした. 【研究項目 (B) 実物体が可動部を有する場合に拡張した研究】 可動部を有する実物体の一例として,実物体が変形する条件を導入するべく,MRシステムの実装を行った.実物体が変形し,仮想物体が変形しない場合,実物体が仮想物体で隠蔽されないため,実物体そのものを隠蔽処理する必要がある.そこで,実物体の背景の3Dモデルを事前に作成し,それを利用する隠消現実感システムを実装した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目(A)(B)ともに,当初予定していた通りに実装,実験が進んでおり,興味深い知見が得られているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
【研究項目 (A) 把持する実物体を剛体に限定した研究】衝突音のみで仮想物体の「運動状態」を提示した場合に,「R-V Dynamics Illusion」によって実物体の運動知覚がどのように変わるのかを調べる. 【研究項目 (C) 実物体が非剛体の場合に拡張した研究】実物体自体が変形する場合について実験を開始する. 【研究項目 (D) 「R-V Dynamics Illusion」の発生メカニズムの検討】発生メカニズムの検討を開始する. 【研究項目 (E) 技術展示システムの制作】これまでに得られた知見を多数の人に体験してもらうための技術展示システムを制作する.
|
Research Products
(22 results)