2016 Fiscal Year Annual Research Report
感覚運動統合における感覚情報の遅れやノイズにロバストな運動戦略
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16H02882
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田原 健二 九州大学, 工学研究院, 准教授 (80392033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野 仁 福岡工業大学, 工学部, 教授 (50293816)
河村 晃宏 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (60706555)
松谷 祐希 熊本高等専門学校, 機械知能システム工学科, 助教 (80757120)
越智 裕章 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 助教 (50780128)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時間遅れ / 筋骨格系 / 多指ハンド / ロバスト性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では,筋骨格構造を持つロボットアームを作成し,画像処理を用いた手先位置制御システムを構築した. また,制御則として,画像処理を用いた際に含まれる時間遅れやノイズに対してロバストな制御手法として,これまで別々に構築していた筋内力フィードフォワード制御と時間遅れを含む手先空間フィードバック制御において,制御則を大幅に見直し,フィードバックとフィードフォワードが渾然一体となった新しい制御則を提案し,シミュレーションおよび構築した試作機による実験によって,その有効性を確認した. 提案手法では,これまで過大に必要であった残留筋内力を大幅に減らすことができ,それによって実機に組み込む際,過大な内力による静止摩擦の増加を抑えることができ,結果的に手先位置制御の精度が大幅に向上した. 一方,多指ハンドを用いた物体把持制御において,これまで利用していた仮想物体位置を物体の移動速度に合わせて更新することにより,物体に外乱が加わった際のロバスト性を大幅に向上させることができることを数値シミュレーションにより確認した. 本手法では,外乱の大きさに応じてセンサレスで把持力を自動的に変更することが可能で有り,把持した物体を用いた作業を行う際に有効であると考えられる. 現在,実験機を用いて本手法の有効性を確認すると共に,視覚および触覚情報との融合により,時間遅れやノイズ,外乱等にロバストな把持手法の構築を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに構築した制御則が,当初期待していた制御性能を十分に満たしていたため,今のところ大きな問題点は起きていない.
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Strategy for Future Research Activity |
筋骨格システムについては,今後,これまで2次元モデルであったが,これを3次元モデルへ拡張し,位置だけで無く姿勢も同時に制御することを目指す. また,実験装置として,新たに人工筋肉アクチュエータを駆動装置として導入した新しい筋骨格アームの試作を行い,本質的にコンプライアンスを持つ人工筋肉アクチュエータを利用したアームにおいて,提案手法が有効に働くことを確認する. また,物体把持においては,現在,実験機を用いて本手法の有効性を確認すると共に,視覚および触覚情報との融合により,時間遅れやノイズ,外乱等にロバストな把持手法の構築を行っているが,今後は理論的な安定性の証明を行うと共に,視覚や触覚との融合における信号処理技術の開発も行っていく.
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