2017 Fiscal Year Annual Research Report
音楽演奏表情データベースPEDBの拡充とその実践的活用
Project/Area Number |
16H02917
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
片寄 晴弘 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70294303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋田 光代 相愛大学, 音楽学部, 講師 (20421282)
小川 容子 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (20283963)
古屋 晋一 上智大学, 理工学部, 准教授 (20509690)
中村 栄太 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD) (10707574)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コンテンツ・アーカイブ / 音楽演奏 / 音楽情報 / データベース / 美学 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは200曲超のピアノ演奏名演を分析し、テンポ推移、各音の打鍵時刻や音量を変位データとして記述した音楽演奏表情データベース(PEDB)を構築し、一般公開を進めてきた。PEDBは、演奏分析や演奏の表情付けシステム開発を目的として、国内外約50研究機関で使用されてきたが、近年のデータ処理技術の向上に伴い、その増強に対する期待が高まっている。 本申請研究では、MIDIピアノを利用して数100事例規模のデータ増強をはかる。さらに、コンテスト入賞歴のあるピアニストの協力を得て、フレーズ、頂点音等、演奏の素性となる音楽構造のデータセットを取得し、そのデータベース化を進め、また、音楽教育分野を含めたデータベースの展開利用をはかることを目的とした。 研究初年度は、データ収録のワークフローの確立と、1名のピアニストを中心に、多くの作品のデータ収録を行うことを中心課題とした。本年度(2年目)は、ピアニストの数を増やしての演奏収録を課題とした。これまでに、8名のピアニストによる約300演奏の収録を実施し、あわせて、演奏の素性となる音楽構造に関する聞き取りを完了した。本研究のアプローチ、これまでに得られた成果を、3件の査読付きの国際会議で発表するなど、アウトリーチ活動についても順調に進んでいる。平成30年は、研究最終年度にあたり、140演奏の追加収録を実施するとともに、データ公開に向けての諸作業を実施の上、データベースの一般公開を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては、構造情報を伴った数100事例の規模の音楽演奏表情データベースの構築を目的としてきたが、本年度(2年目)の段階で、300演奏事例の収録を完了した。 本研究のアプローチ、これまでに得られた成果を、3件の査読付きの国際会議で発表するなど、アウトリーチ活動についても順調に進んでいる。 H30年度は、およそ140演奏の収録を予定しており、これにより目標のデータ規模を達成することが見込まれる。これらより、研究は順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で、300演奏の収録が完了しており、研究は予定通りに進捗している。引き続き、計画通り研究を実施し、H30年度上期は140演奏の追加収録を予定している。H30年度下期はデータ公開に向けての諸作業を実施し、データベースの一般公開を行うとともに、関連学会での成果発表、アウトリーチ活動を展開する。
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