2018 Fiscal Year Annual Research Report
地球表層炭素循環の鍵を握る海洋燃焼起源有機物の存在量と動態の解明
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16H02930
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山下 洋平 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (50432224)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海洋科学 / 生物地球化学 / 溶存有機物 / 燃焼起源有機物 |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオマスや化石燃料の燃焼に伴い生成する燃焼起源有機物は、地球表層に広く分布し、還元型炭素プールの重要な構成成分であると考えられている。近年、地球表層における3大還元型炭素プールの一つである海洋溶存有機物中に河川及び大気由来と考えられる燃焼起源有機物が存在する事が確認された。しかし、研究例が極めて少なく、海洋溶存有機物画分の燃焼起源有機物動態および存在量は明らかでない。そこで、本研究では、海洋溶存有機物画分の燃焼起源有機物の広域分布を示し、その動態および存在量を明らかにする事を目的とした。 2018年度は以下の研究を実施した。 ①2017年度以前に得られた南北太平洋の溶存有機物画分における燃焼起源有機物(溶存燃焼起源有機物)を分析し、その南北断面分布を明らかにした結果、溶存燃焼起源有機物の除去過程に関する新しい仮説を立てる事ができた。しかし、試料数が十分でないため、仮説を検証するためには、更なる観測が必要と考えられた。そこで、2018年度は、ロシア極東海洋気象学研究所所属マルタノフスキー号航海(Mu18)および東京大学大気海洋研究所/海洋研究開発機構所属の白鳳丸航海(KH18-6次航海)により、北部北太平洋、ベーリング海およびインド洋における溶存燃焼起源有機物の分布を評価可能な試料を得た。 ②海洋への溶存燃焼起源有機物の起源として、土壌から河川への溶存燃焼起源有機物の移行メカニズムを評価した。その結果、燃焼起源有機物は溶存有機物の中でも特定の成分と相互作用することにより、可溶化し、河川へ流出する事が示唆された。この知見は、海洋の溶存燃焼起源有機物の存在状態の評価にも有用であると考えられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)