2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of ocean acidification and its biological affection in North Pacific subsurface waters
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16H02949
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
小埜 恒夫 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 国際水産資源研究所, グループ長 (40371786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木元 克典 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 主任技術研究員 (40359162)
岡崎 雄二 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 東北区水産研究所, 主任研究員 (90392901)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海洋酸性化 / 海洋中層 / 浮遊性有孔虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年7月に調査航海を実施し、混合水域において5点の炭酸系鉛直観測を行った。また同海域においてモックネスネットによるカイアシ類と浮遊性有孔虫の層別採取を実施した。 各点における水温・塩分およびアルカリ度の鉛直プロファイルを1997年の同海域における観測値と比較したところ、水塊構造がかなり異なっており、1997年当時と同様な水塊構造の観測点は、実施した5点のうち1点に留まる事がわかった。次年度に同様の調査を2航海予定しており、97年と直接比較可能な水塊構造のデータ数を増やす予定である。 浮遊性有孔虫の取得試料は研究対象種であるG.scitulaを顕微鏡下で抽出し、層別の個体数計測とMXCTによる殻状態の計測を開始した。またカイアシ類試料の種組成判別作業を開始した。 本年度中にMXCTによるカイアシ類試料の殻密度計測技術を開発する予定であったが、MXCT計測の標準試料となる天然キチン質試料の調整に想定外の技術的困難を要したため、繰り越し申請を行い検討を続けた結果、2017年8月までにカイアシ類試料のMXCT計測条件を確定する事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全く新規の技術開発である、カイアシ類のMXCT計測技術の開発には予定より時間を要したが、繰り越し申請を行い、その期間内に所定の技術開発を行う事ができた。また海洋観測を実施し、海洋炭酸系、浮遊性有孔虫、中層性カイアシ類の全ての項目について所定の試料を取得し、分析を開始する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度中に二回の調査航海を行い、1997年の観測結果と比較可能なデータ数を増やす事により、海洋中層の酸性化状況と中層生物の分布について、より確実な経年変化の抽出を行う。また中層浮遊性有孔虫と中層性カイアシ類のそれぞれについて、MXCTによる殻形状の計測を行い、酸性化状況の鉛直的な変化に応じた殻形状の変化の有無を評価する。
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