2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of ocean acidification and its biological affection in North Pacific subsurface waters
Project/Area Number |
16H02949
|
Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
小埜 恒夫 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 国際水産資源研究所, グループ長 (40371786)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木元 克典 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 主任技術研究員 (40359162)
岡崎 雄二 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 東北区水産研究所, 主任研究員 (90392901)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 海洋酸性化 / 海洋中層 / 浮遊性有孔虫 / 中層性カイアシ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
前2年度において発見された、混合水域中層域における酸性化環境の経年変化、特にアラゴナイト飽和深度およびカルサイト飽和深度の経年変化と、それに対応した浮遊性有孔虫G.scitulaの分布深度の変動について成果をとりまとめ、国際学会での発表および和文雑誌への投稿を行った。またカルサイト飽和深度前後におけるG.scitulaの炭酸殻のXMCT観測を集中的に行った結果、カルサイト飽和深度以深に生息するG.scitulaの殻厚が、同飽和深度以浅に生息する同種の殻厚より有意に増加していることを突き止めた。これは同種が生息海水のカルサイト飽和度に対応して自らの殻厚を変化させることで、酸性化環境に適応している事を示唆している。本結果についても同様に国際学会において成果報告を行っており、さらに現在論文として投稿準備中である。 一方、G.scitula殻の多孔度については、カルサイト飽和深度前後における顕著な変化は見られなかった。多数のG.scitula殻の観測結果を年齢別に解析した結果、本種の殻の多孔度は海水のカルサイト飽和度だけでなく、個体の年齢によっても変化している可能性を示唆しているため、多孔度については複数変動要因を考慮した解析が完了したうえで成果の公表を行う予定である。 これらの解析と並行して、中層域におけるカイアシ類の層別採取試料の検鏡分析結果についてもとりまとめを行った。中層性カイアシ類について密度幅0.1σθ毎の詳細な層別観測を行ったのはこれが世界初であり、その結果一定の密度帯にのみ集中的に分布するカイアシ類が複数種存在している事が世界で初めて明らかになった。これらのカイアシ類の外殻のMXCT観測も準備中であり、各密度帯に局在するカイアシ類の外殻の厚み・密度の変化と、環境水の炭酸塩飽和度変化との対応の有無について解析を行う予定である。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)