2017 Fiscal Year Annual Research Report
Determination method of total perfluoroalkyl acid precursors and its application to the better understanding of their environmental behavior
Project/Area Number |
16H02973
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
益永 茂樹 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (50282950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 里史 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (70217644)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ペルフルオロアルキル酸 / 前駆体 / 酸化分解 / 定量法 / 下水処理場 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、ペルフルオロアルキル酸前駆体の中でもスルホンアミド系の物質をモデル化合物として種々の酸化方法による生成化合物について検討した。本年度は引き続き、フロロテロマーアルコール(FTOH)系の前駆物質に対して検討を行った。 FTOHの一つである8:2FTOHをモデル化合物として、アルカリ性条件でペルオキソ二硫酸カリウムを用いて水酸ラジカルによる酸化分解を試みたところ、分解時間の経過に伴い、8:2FTOHが減少し、ペルフルオロヘプタン酸(PFHpA)、ペルフルオロヘキサン酸(PFHxA)、ペルフルオロペンタン酸(PFPeA)が生じ、最終的にペルフルオロブタン酸(PFBA)が生成した(最終反応時間は12時間)。また、反応途中では8:2PTOHとアルキルカルボン酸類の総モル数は減少し、これら以外の中間生成物を経由していたと見られた。結果として本法による前駆体定量については、FTOH類はスルホンアミド系物質よりもさらにアルキル鎖長が維持され難いことが判明し、前駆体分子中の鎖長の正確な予測は難しいが、前駆体分子に存在したアルキル基の数量は推定できることが示された。 FTOHについて酸化分解法による把握が難しいことから、個別定量によって活性汚泥法による下水処理場における挙動の把握を試みた。8:2と10:2のFTOHが流入水で検出されたが、いずれも放流水では不検出で、しかも汚泥としての除去も僅かであったことから、大部分が、処理過程で揮発か分解したと見られた。他方、炭素鎖長が5~9のペルフルオロアルキルカルボン酸類は全て処理過程で増加し、これらカルボン酸の前駆体は、カルボン酸としての流入する量と同程度のモル数で流入水に存在していると見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に用いている液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置が故障により使用できない期間が生じたため、研究の遂行に遅れを生じた。しかし、代表的なペルフルオロアルキル酸前駆体の一つであるオクタンスルホン酸アミド酢酸に加えて、テロマーアルコール系物質についての検討を終えることができたので、ほぼ目的に向かって進捗してると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ペルフルオロアルキル酸(PFAA)の前駆体を、それらが分子内に持つペルフルオロアルキル基の鎖長を保ったままで、対応するアルキルカルボン酸に変換することを検討してきたが、種々の酸化剤を用いてもこれを確実に行うことはかなり困難なことが判明した。しかし、鎖長をできるだけ維持すること、および、アルキル基の数をできるだけ正確に定量すること、などの目的毎に反応時間を最適化することで、実試料への適用を試みる。そして、PFAA前駆体の環境動態の解明に挑戦する。環境試料としては、地下水と下水処理系を予定している。 他方、酸化分解によらない前駆体の定量に関する方法についても考察する。
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Research Products
(5 results)