2017 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気性メタン酸化脱窒アーキアを用いた新規脱窒プロセスの開発と反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
16H02975
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
幡本 将史 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任准教授 (20524185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆司 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (10280447)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 廃水処理 / 温室効果ガス / 亜酸化窒素 / メタン |
Outline of Annual Research Achievements |
嫌気性メタン酸化脱窒細菌は増殖が遅いためいかに効率よく増殖・優占化させるかが重要である。本年度も高濃度に汚泥保持が可能で高い気液接触効率を持つスポンジを微生物保持担体としたラボスケールDHSリアクターの運転を継続した。昨年度までに亜酸化窒素の発生が確認されたため、今年度は、嫌気的メタン酸化脱窒反応と亜酸化窒素発生量の関連性について窒素除去性能と亜酸化窒素発生量を評価した。その結果,HRT6時間で平均最大硝酸消費速度7.5±4.8 g-N・m-3・day-1を,HRT12時間で平均最大亜硝酸消費速度4.2±1.4 g-N・m-3・day-1を達成した.また,基質に硝酸・亜硝酸を同時に添加した結果,硝酸消費速度は減少する傾向を示唆した. 嫌気的メタン酸化脱窒反応を用いたDHSリアクターの硝酸・亜硝酸消費あたりの亜酸化窒素排出量は各々0.0020±0.0020, 0.0014±0.0013 (%)を示した.本結果から嫌気的メタン酸化脱窒反応を用いることにより亜酸化窒素の発生を抑制できることが示唆された.また,嫌気的メタン酸化脱窒反応培養系からの亜酸化窒素発生量は窒素消費に関係なく一定の値を示すことが考えられた. 以上の結果を踏まえ今後は、窒素成分の濃度上昇、空気供給量と温室効果ガス(亜酸化窒素とメタン)の排出量の低減のための基礎データの取得を試みる。また、より高濃度のバイオマス保持か可能であると報告された中空糸膜リアクターを用いた実験系も構築しこのリアクター形式における温室効果ガスの発生量や微量物質の窒素除去プロセスに与える影響についても調査する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従ってリアクター運転を継続し、温室効果ガスの発生量の調査を実施することができた。その結果、嫌気的メタン酸化脱窒反応を用いることにより亜酸化窒素の発生を抑制できることが示唆された.また,嫌気的メタン酸化脱窒反応培養系からの亜酸化窒素発生量は窒素消費に関係なく一定の値を示すことが考えられた.さらに、来年度に向けて新たなリアクターによる試験を計画するなど、着実に研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画にしたがって研究を進める。また、嫌気性メタン脱窒微生物の増殖をより進めるため、微量栄養素や微量金属などの影響についても調査を追加で実施する。さらにより高濃度のバイオマス保持か可能であると報告された中空糸膜リアクターについても本研究に導入することを検討する。
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