2017 Fiscal Year Annual Research Report
多様な顧客価値を実現するプラットフォームコンセプトのデザインと創成支援
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16H03016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 喜久雄 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10228992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間口 大 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90362657)
矢地 謙太郎 大阪大学, 工学研究科, 助教 (90779373)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 設計工学 / システム工学 / 経営学 / 機械工作・生産工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,カスタマイゼーションにおける顧客ニーズ・技術的可能性・経済的合理性のトレードオフを的確に見定めたプロダクトコンセプトを合理的に展開するために,顧客ニーズ・物理機能・実体構造のそれぞれについてのシステム構造と相互関係(=プラットフォーム)を俯瞰し,整合性を持ってデザインすることの意義を明確にするとともに,そのようなプラットフォームコンセプトのデザインを創成するための支援手法を提案することを目的とする.それに向け,(1) 顧客ニーズ・技術的可能性・経済的合理性を横断するモデリングフレームワークの構築,(2) 物理構造やコスト構造の制約のもとで個別の顧客価値を最大化するプラットフォームコンセプトを大量の顧客情報を起点として探索する手法の開発,(3) 具体のプロダクトデザインでの実装と各手法へのフィードバックの,3つを具体的な研究課題に設定し,プラットフォームコンセプトのデザイン創成支援の考え方を提唱することを目指して研究を進めている. 平成29年度においては,平成28年度から継続して,(1) についてのフレームワーク開発と(3) についての実装の成果の洗練化を進めた.具体的には,モデリングフレームワークの構築,産業機器を題材とするプラットフォームコンセプトのモデリングを行った.また,同機器のプラットフォームコンセプトのデザイン、および支援フレームワークの順次実装と部分的検証を進めた.それらと連係しながら平成29年度においては,(2) についての大量の顧客情報からの顧客価値の抽出の手法の開発を重点的に進め,産業機器の顧客情報の分析・ビッグデータ処理を実施した.産業用機器のプラットフォームデザインを題材としてフレームワークの検討を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の通り,本研究では3つの具体的な研究課題を設定し,年度ごとに各課題の達成目標を定め,相互に連携させながら進めている.当初の予定では,平成29年3月までに,課題(1)および(3) について,産業機器を題材とするプラットフォームコンセプトのモデリングと同機器の顧客情報の分析・ビッグデータ処理を実施し,同機器のプラットフォームコンセプトのデザインおよび支援フレームワークの順次実装と部分的検証を終える予定であった.しかしながら,平成28年10月,題材として取り上げる産業機器の顧客情報の分析を開始したところ,当該情報がほとんど構造化されておらず,そのままではビッグデータ処理を実施できないことが判明した.そこで,当該機器の専門家を交えて顧客情報を整理し,構造化する作業を新たに計画し,平成29年2月までに実施した.それにより,平成28年度の当初の目標を平成29年7月に繰り越したが,目標通りに達成することができた. それらの成果を踏まえ,平成29年8月以降は主に課題(2) について重点的に研究を実施した.具体的にはまず,構造化した顧客要求情報に対して,相関ルール分析を適用し,Aというニーズを持つ顧客はBというニーズも持つ,といった顧客ニーズ間に存在する傾向を抽出する手法を開発した.顧客ニーズの傾向分析を行ったうえで,その傾向を素直には物理構造や製造プロセスへと転写できないことを具体的にかつ個別的に確認したうえで,技術的可能性や経済的合理性を傾向分析に反映させる際の論点を抽出した.さらに,それらによる知見をもとに,課題(1)に対応する支援フレームワークの洗練化を行い,順次,その実装に取り組んだ.併せて,課題(3)に対応して,産業用機器のプラットフォームデザインを題材としてフレームワークの検討を進めた. 上記の成果を,学術雑誌掲載論文1件,国際学会講演1件,国内学会講演1件により発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においては,平成29年度までに進めた上述の成果を踏まえつつ,課題(1)および課題(2)の成果の洗練化を目的として,課題(3)を重点的に進める.すなわち,デザイン創成支援法の考え方を展開し,産業界の具体的なプロダクトを題材として取り上げて斬新なプラットフォームコンセプトのデザインを試み,プラットフォームコンセプトのデザインの担当者からのレビューを受ける.それによって,その有効性や問題点を明らかにして,フレームワークの洗練化に取り組んでいく.それにあたり,複数の性質の異なるプロダクトを取り上げ,提案手法の汎用化に取り組んでいく.具体的には,顧客ニーズが多様であるものの同内容が明確で受注仕様生産が進められているプロダクトとして産業用三軸直交ロボットを,機能がより複雑であるものの顧客ニーズはある程度想定ができ大量生産が可能な民生用プロダクトとして空調機を取り上げる.一連の取り組みを通じて,そもそもの顧客ニーズ・物理機能・実体構造を統合し俯瞰するデザイン,さらには,プロダクト群を対象とするプラットフォームコンセプトをデザインすることの意義を明らかにし、提唱するフレームワークの必要性の裏付けとする. 以上のもと,並行して関連する研究動向や産業動向についての調査に取り組みつつ,得られた知見や成果を取りまとめて,学術雑誌掲載論文の執筆,および学会発表等を行う.
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Research Products
(3 results)