2017 Fiscal Year Annual Research Report
明暗所視および薄明視の視覚特性に基づくハイブリッド画像設計
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16H03019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 光平 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (70325570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦濱 喜一 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (10150492)
原 健二 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50380712)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情報デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
人の視覚は照明条件の変化によって特性が変わり,同一の提示物でも知覚の仕方が変わる場合がある.この視覚特性は,照明の影響を受ける視覚情報のデザインにも取り入れられるべきものであるが,多くの場面で十分には活用されていないのが現状である.そこで本研究では,この視覚特性を利用したハイブリッド画像の設計方法を開発することを目的として,平成28年度から平成31年度までの4年間にわたり,新手法の開発,実験による有効性の検証等に取り組んでいる.以下に,本年度の研究実績の概要を述べる. 本年度は,任意の色をRGB色立方体の頂点色の重み付き平均色として表すNeugebauerモデルに基づき,その重みを単調増加関数で強調または抑制することによってカラー画像を強調する方法を提案した.また,昨年度開発した三刺激値の2乗誤差最小化による分光反射率推定法において,照明光源の数を増やした場合の分光反射率推定問題に対する解法を提案し,従来手法と比較して,色再現性が向上することを実験で確認した.その他に,色相保存カラー画像強調のためのRGB色立方体に基づくヒストグラム指定法,ボロノイ分割を用いたローポリアート法,ツーインワン画像ステガノグラフィー法,スパースNeugebauerモデルに基づく分光反射率推定法,リバーシブルデータハイディング法,ガウシアンメディアンフィルタ,演色評価数の相対評価法及び改善法,連続性を考慮した分光反射率推定法などを提案した.今後は,これらの方法に人の視覚の比視感度等を取り入れて,ハイブリッド画像の設計に取り組む予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,昨年度から進めてきた分光反射率推定において性能の改善が見られ,また,演色性を通して照明に関する知見が得られたことから,ハイブリッド画像設計に必要な技術的な準備ができてきたことから,本研究は,おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,本年度までに開発した各種手法に基づき,様々な照明条件下でのハイブリッド画像設計に取り組み,検証実験を行う予定である.
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