2017 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of Dwelling Support System for the Dementia
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16H03024
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
相良 二朗 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (10330490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種村 留美 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00324690)
大森 清博 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 研究員 (90426536)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症 / MCI / 独居高齢者 / IoT / 促し装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
各種センサを実装した個別のIoTデバイスの開発をMONOWIRELESS社製TWELITE及びTWELITE2525A、ならびにEspressif社製のESP8266及びWioNodeを用いて試作開発を行った。室内気候、屋外気候、電源消費量、ドア開閉、および、TWELITE2525A内蔵3軸加速度も用いた物体の挙動である。制御装置にはRaspberryPi3.0を採用し、JAVAおよびJAVA ServletをApatch Tomcatと組み合わせてWi-Fi経由でIoTデバイスからの信号を処理する構成とした。促しは合成音声あるいは録音されたWaveファイルとした。 並行して、SONY製MESHタグを用いて簡易的に促しシーンを構築し、重度障害者用設備を組み込んだウェルフェアテクノハウス神戸内に仮設置し、動作検証を行うとともに、認知症者に関係をもつ来場者に対してデモンストレーションを行い、アンケート調査を実施した。構築した促しシナリオは10種で、玄関での外出時の促し2種類をデモンストレーションした。アンケートには53名の回答が得られ、約7割が促しに対して有効と回答した。 音声による促しでは、音源の位置が理解度に影響するのではないかという疑問が分担研究者から出たため、適切なスピーカ位置を明らかにするための聞き取り実験を行った。結果はスピーカの位置による影響は見られなかったため、指向性が少なくなる天井からの音声を採用することとした。 このほか、「大事なものを一定の位置に戻すことを促す」ことで認知症者のBPSDとして知られる「物取られ妄想」を未然に防ぐことを目的とした促し装置の試作をおこなったほか、テレビ、エアコン、照明の3機能を3面に配した三角柱形状の簡易リモコンを試作開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IoT技術は過渡期にあり、各社から多様なデバイスやセンサが頻繁に発表されており、適切なデバイスの選定に迷いが生じ、時間のロスにつながった。また、制御装置としたRaspberry Piもバージョンアップが相次ぐとともに、OSのDebianにおいてもバージョンアップが相次ぎ、細かな仕様の変更から既開発のデバイスやアプリケーションの動作がうまくいかなくなったり、動作するべきはずのプログラム等がうまくいかないなどのトラブルに見舞われた。 また、電子回路設計用CADもバージョンの更新が頻回に生じ、バージョンアップに伴い、過去に作成していた部品ライブラリが消失するなどのトラブルにも見舞われ、作業が停滞した。
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Strategy for Future Research Activity |
促しシステムの効果について、実際の生活場面の中に長期間設置し、実証評価を通して明らかにする。各試作デバイス類についても実際の場面での動作検証を行い、改良点を明らかとする。
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