2019 Fiscal Year Annual Research Report
光・温度環境が閉経後女性の心身の健康に与える影響とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
16H03026
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
鷹股 亮 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (00264755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 恵子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30220081)
杉本 直俊 金沢大学, 医学系, 准教授 (80272954)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エストロゲン / 摂食行動 / セロトニン / 光環境 / 日内リズム / 環境温 / エネルギー消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
エストロゲンの摂食抑制作用は、エストロゲンにより光感受性が亢進し摂食行動パターンを調節することにより起こること、そしてエストロゲンには抗うつ作用があることから、エストロゲンのこれら作用にセロトニンが関与しているのではないかと考え、選択的セレトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であるfluoxetineを卵巣摘出ラットに投与し、エストロゲンと同様な作用が示されるかについて検討した。 卵巣摘出ラットへのfluoxetine投与は卵巣摘出ラットへのエストロゲン補充と同様に、明期に特異的な摂食抑制とSCNにおけるc-Fos発現の亢進、抗肥満、抗うつ作用を示した。この結果は、エストロゲンの明期に特異的な摂食抑制作用、抗肥満作用、抗うつ作用(強制水泳における無動時間の短縮)は、セロトニンを介している可能性を示唆した。しかし、fluoxetineは、光刺激の情報を中継する外側膝上体間葉(IGL)の活動を介してこれらの作用の調節をしていないことが示された。以上より、セロトニンは網膜視床下部路または視交叉上核に直接作用している可能性が示された。 次に、環境温上昇による摂食量低下に及ぼすエストロゲンの影響について検討した。雄ラットの実験より、暑熱環境が負のエネルギーバランスを引き起こすことが明らかになったが、同様の実験を卵巣摘出雌ラットにエストロゲン補充をしたエストロゲン補充ラットと補充を行わないエストロゲン欠乏ラットで比較した。 結果は、エストロゲン補充の有無にかかわらず暑熱環境では摂食量、体重増加量、活動量のいずれも減少した。しかし、エストロゲン補充により、欠乏時に比べて摂食量の減少率は増加し、活動量の減少率は減少し、体重減少率は両群で差がなかった。したがって、体重、摂食量、活動量の調節にエストロゲンは、それぞれ異なる作用を示し、活動時以外のエネルギー消費に影響する可能性が示された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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