2018 Fiscal Year Annual Research Report
産直が拓く環境教育の新たな地平:「遊び仕事」の現代的活用をめざして
Project/Area Number |
16H03051
|
Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
溝田 浩二 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 准教授 (00333914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 史世 麻布大学, 生命・環境科学部, 講師 (60318889)
小関 一也 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (80267434)
西城 潔 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00241513)
林 守人 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 研究員 (70625037)
ラザロ エチェニケディアズ 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 研究員 (60567650)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 環境教育 / 遊び仕事 / 産地直売所 / ESD |
Outline of Annual Research Achievements |
産地直売所(=産直)は全国に16,816施設あり(農水省, 2011年)、地域の食・農・文化をつなぐ重要な拠点となっている。山菜・キノコ・食用昆虫といった「遊び仕事(マイナー・サブシステンス)」に由来する商品が集積されることも多く、地域の生物多様性や文化を展示するミュージアムのような機能も有している。「遊び仕事」には地域の自然資源を利用する豊かな知恵が内包されており、きわめて魅力的な環境教育・ESDの題材となりうる。本研究では、産直を環境教育のフィールドとして積極的に活用し、「遊び仕事」の現代的な活用を志向することにより、日本独自の自然観や生活知を基盤とした環境教育を構築するものである。平成30年度は、主に以下のような調査・研究に取り組んだ。 (1)日本国内において「遊び仕事」を通して狩猟・採集された商品をもっとも多く取り扱っている産直として知られる産直市場グリーンファーム(長野県伊那市)において、①年間を通して店頭に並ぶ「遊び仕事」由来の商品(山菜、キノコ、食用昆虫など)の調査、②ザザムシ漁・クロスズメバチ採集(ハチ追い)に関する生産者への聞き取り調査、実際に狩猟・採集を体験しながらの参与観察、③農産物を介した伊那市と南大東島との交流の実態に関する調査、などを行った。 (2)(1)の成果を基盤として、①産直をフィールドとしてどのような環境教育教育・ESDが実施できるかの検討、②「遊び仕事」に内包される環境教育・ESD のエッセンスの抽出、③環境教育・ESDの教材・プログラムの作成に必要なデータ・素材の収集、④環境教育プログラムの試作と検討、などを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、産直市場グリーンファームを中心とした調査を実施し、産直をフィールドとした環境教育プログラムの作成に必要なデータを収集することができた。研究計画書に記載した研究・調査がほぼ計画通りに実施できており、「順調に進展している」と判断される。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度が本研究課題の最終年度にあたるため、研究成果の取りまとめを中心に行う。日本最大の規模を誇る産地直売所である「産直市場グリーンファーム(伊那市)」においてこれまで収集してきた「遊び仕事」由来の商品、登録生産者に関するデータをまとめ、論文化する。また、ニホンミツバチの伝統養蜂、スガレ(クロスズメバチ)追い、ザザムシ漁、山菜・キノコの採取といった伊那地方を代表する「遊び仕事」に着目しながら、生産者への聞き取り調査、参与観察の成果をまとめ、論文を作成する。さらに、「遊び仕事」を題材とした環境教育プログラムを実践する予定である。
|
Research Products
(23 results)