2016 Fiscal Year Annual Research Report
中核的理科教員を活用した地域理科教育のシステミックリフォームの研究
Project/Area Number |
16H03052
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小倉 康 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (50224192)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 中核的理科教員CST / システミックリフォーム / 地域理科教育 / 全国学力・学習状況調査 / 科学的リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地域の理科教育をシステムとして捉え直し,その中で中核的理科教員CST(コア・サイエンス・ティーチャー)が推進役となり,理科教育の実態を改善していくことを可能とする条件と手続きを明らかにすることを目指している。初年度の本年度は,主として,①CSTを対象とした質的事例調査による地域理科教育システムの現状分析,②CSTを推進役とする地域理科教育システムの改善に研究協力する自治体・学校との協議と調整,③研究協力校における試行的実践とその結果の分析と評価,及び成果の共有,④米国におけるシステミックリフォームによる地域理科教育改善の資料収集と本研究の初期成果の発表,を実施した。 ①の結果から,教育委員会との連携,CST拠点校の役割,CSTとしての機能,具体的活動の異なる次元で,地域理科教育システムの改善に有効となる条件が抽出された。②の結果,県内4市の小学校5校と中学校5校の計10校で3年間ないし4年間の研究協力関係を構築した。③の結果,研究協力校10校の小学校3年生から中学校3年生までの合計約4400名の児童生徒の研究初期の実態を調査した。結果は,平成27年度全国学力学習状況調査で測定された全国的な状況と同程度であった。初期調査の後,各学校における試行的実践を実施し,その後に実態を再調査することで,取り組みの成果を分析・評価した。さらに,全校および教育委員会関係者が出席した合同会議で成果を共有し,次期の取り組みの計画策定に反映させた。④の結果,諸外国の地域理科教育システム改善に関わる最新の研究動向を把握するとともに,本研究の初期成果を英語で論文発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り,本研究は研究実施計画に沿って,おおむね順調に進展している。ただし,初年度の関係機関との調整の過程で,当初予定した県内5地域・自治体(東部,西部,南部,北部,政令市)の参加が一部困難となり,初年度は4地域・自治体での実施となった点が不十分である。この点は,次年度早期に改善する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度早期に残る1地域の教育委員会に参加を働きかけ,最終的に5地域での研究推進体制とする。その他,当初計画に沿って研究を推進する。
|