2016 Fiscal Year Annual Research Report
Assesenent, teaching and learning in forestry education for secondary school
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16H03055
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
東原 貴志 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10370850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊神 裕司 国立研究開発法人森林総合研究所, その他部局等, 主任研究員 等 (20353568)
井上 真理子 国立研究開発法人森林総合研究所, その他部局等, 主任研究員 等 (30414478)
大谷 忠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80314615)
荒木 祐二 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00533986)
蔵治 光一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90282566)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 森林教育 / 技術教育 / 技術・家庭科 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度については、中学校技術・家庭科(技術分野)(以下、技術科とする)における木材の生産、ならびに高等学校農業科森林科学における水資源の涵養について、それぞれ指導内容・教材を作成するための調査を行った。 従来の中学校技術科の内容では,森林・林業に関する内容として,木材加工の領域において,山林の治山・治水に関する内容等が取り扱われていた。本研究では,従来の技術科木材加工の領域で取り扱われていた森林・林業教育の視点とは異なる立場から,2008年の教育課程の改訂で実施されることになった木材の生産に関する教育内容について取り上げた。本研究では,2008年の教育課程の改訂から必須化された生物育成に関する技術の内容において,食料の生産とは異なる材料の生産の視点を踏まえた,木材の生産(林木の収穫)に関する授業実践を2017年11月に行った。授業実践では,専門高校における森林・林業の内容を中学校の生物育成の指導内容に補填するとともに,作物の収穫との比較から,林木の収穫における理解が促進する指導内容・教材を提案・実践した。その結果,生物育成の技術に関する視点からも,森林・林業教育が十分可能なことがわかった。 高等学校森林科学では最初に、水資源の涵養や生物多様性の保全をはじめとする多面的な森林の機能を維持するための森林科学の意義を扱うため、初学者に対する指導に適した教材が必要とされる。本研究では、この科目を初めて学習する高校生を対象とした人工林調査と人工降雨実験の教材を開発した。2017年6月にスポンジを用いた吸水力実験、人工降雨装置の組み立て、人工林の混み具合調査、人工降雨実験で構成される授業実践を行った。 教材はほとんどが100円ショップで購入できる物品で構成され、高校生でも比較的容易に準備、作製できた。保水力の実験では、スポンジの種類によって異なる様子が観察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高等学校森林科学における授業実践について、平成28年度に東京大学千葉演習林での実施を計画していたが、災害に伴う林道の通行不可のため予備調査を実施できず、研究費の一部繰り越しと実施時期の延期を行った。そこで平成29年度においては、千葉県立君津青葉高等学校の協力を得て、同校の演習林での予備調査、ならびに授業実践を実施することができ、当初の計画を達成することができた。 以上の理由から、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、中学校新学習指導要領、高等学校新学習指導要領が告示され、中学校技術・家庭科ならびに高等学校森林科学科の新しい学習内容が提示された。これらの内容を分析するとともに、引き続き教材開発と教育実践を行い、森林科学と木材生産に関する学習内容について提案したい。
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Research Products
(2 results)