2016 Fiscal Year Annual Research Report
日本およびアメリカにおける次世代型STEM教育の構築に関する理論的実践的研究
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16H03058
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
熊野 善介 静岡大学, 教育学部, 教授 (90252155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 浩一 岩手大学, 理工学部, 教授 (00216615)
今村 哲史 山形大学, 大学院教育実践研究科, 教授 (00272055)
佐藤 真久 東京都市大学, 環境学部, 准教授 (00360800)
山下 修一 千葉大学, 教育学部, 教授 (10272296)
清原 洋一 国立教育政策研究所, その他部局等, 教育課程調査官 (10353393)
萱野 貴広 静岡大学, 教育学部, 教務職員 (30293591)
田代 直幸 常葉大学, 教育学部, 教授 (30353387)
畑中 敏伸 東邦大学, 理学部, 准教授 (30385942)
郡司 賀透 静岡大学, 教育学部, 准教授 (30412951)
二宮 裕之 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40335881)
松元 新一郎 静岡大学, 教育学部, 教授 (40447660)
紅林 秀治 静岡大学, 教育学部, 教授 (60402228)
片平 克弘 筑波大学, 人間系, 教授 (70214327)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | STEM / 21世紀型スキル / 3D学習 / PBL / 領域横断的な学習 / 自由研究 / イノベーション創生教育 / 科学技術教育の改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はワシントン州、ミネソタ州、アイオワ州に研究者9人、静岡大学熊野研究室の博士課程の学生3人で訪問できた。これらの3つの州を選んだ理由は、NGSSが州の科学のスタンダードとして受け入れられていること、または、間もなく受け入れられる(ミネソタ州;2018年の予定)こと、そして、同時にSTEM教育が州を挙げて最も活発に展開されているという事前調査と分析結果により訪問地が決められた。なぜ急激にSTEM教育が全米で展開したのか、21世紀型能力を科学教育でどのように受け入れられていったかが明らかにできた。特に、2011年のアイオワ州における第74州知事令がSTEM教育の展開に大きな影響を及ぼしていることを発見した。特に、ワシントン州とアイオワ州は州の理科のスタンダードとしてNGSSが採用され、NGSSの考え方がほどんど受け入れられ、3D学習が展開されていた。そのためには、大学教育、教師教育、現地の企業との連携が展開され、州を挙げての科学教育改革となっていた。そして、本研究の目的を達成するため、それぞれの調査に参加した研究分担者に近接領域の研究を依頼した。詳しくは中間報告書を参照していただきたい。 今年度の教師教育については、平成28年8月に浜松において、約150人の理科教師に、STEM教育についての熊野の講演会を行い、プレとポストのデータを集めた。また、平成29年1月に、県内の工業系(科学技術系)の先生約50名に対して、STEM教育に関しての研究会を行い、そのうち10名程度の教師がSTEM教育の研究委員会が形成された。また、ミネソタ大学STEM教育センターのチームとSTEM教育研究が展開する合意形成がなされた。次年度5月に静岡でSTEM教育に関して、研究者並びに教育委員会関係者、教師の交流が行われることが決まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基盤研究(B)の合格の後、すぐ具体的な検討に入り、まず、研究分担者の皆さんとメール会議をもとに日程の調整を展開しつつ、アイオワ州州知事STEM支援審議会、ミネソタ大学のSTEM教育センター、ワシントンSTEMの3組織と日程の調整を同時展開した。結論としては、ワシントンSTEMとミネソタに2つのチームが訪問し、ミネソタ大学ですべてのメンバーが合流する方法をとった。現地はレンタカーを獲得し、できるだけ現地のSTEM学校やSTEM教育を展開している科学館の訪問を展開した。その結果、科学教育の専門家、数学教育の専門家、環境教育の専門家、科学技術教育の専門家はそれぞれの立場から、果敢な質問を多くのアメリカ人のそれぞれの対応者が困るほどの質問がでた。共同研究者としての博士課程の学生も大変有意義な現地訪問となった。 現地訪問をもとに、参加した研究分担者は、日本に帰国後もアメリカとのやり取りを継続し、文献研究を重ね、3月2日に本科学研究(B)の本年度の会議を田町の静岡大学東京事務所で開催することができ、中間報告書に向けた研究成果の報告会を行うことができ、中間報告書をまとめ上げたことは、今年度の本基盤研究(B)がおおむね順調で進展していることの証左である。さらには、次年度は5月にミネソタ大学STEM教育センタ―の5人のチームを迎え、本基盤研究(B)の研究分担者・共同研究者さらには、STEM教育に興味のある理科教師との交流を展開することが決定しただけでなく、NSF/JSPSの別の競争的な資金のもと、ミネソタ大学の博士課程のD2の学生が次年度10月から3か月間、STEM教育を展開することも決定した。これらの次年度へ向けた共同研究の受け入れは、我々の研究が単なる現地調査ではなく、両国の課題を共有し、それそれの国の科学教育の政策の良さや課題を確認しながら、より深みのある研究の展開へと導くものである。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である今年度も、共同研究者3人、博士課程の学生3名程度を、STEM教育の質の高い実践をおこなっている学校・科学館等にスポット的に分析調査のために派遣する。本研究費を最大限に活用するために、詳しい日程調整と現地とのやり取りを訪問者中心に展開していただく。できるだけ、エビデンスベースの展開をしている地域を訪問する。昨年に引き続き、ミネソタ大学、アイオワ州立大学、ワシントンSTEMとのやり取りを継続する。 日本の学習指導要領上これら複雑性や不確定性に関する評価のために実践を伴った実証的な研究によって明らかにする必要がある。現行カリキュラムの中での年間を通じた実践的研究に移る。ここでは各学校のおかれた状況に依存した参加型アクション研究として、研究参加者の学校教員との連携により、実践上の課題の把握と、その解決を進めていく。複数のディシプリンの知識・技能を用いることで問題が解決できるようなカリキュラムの構築(教科横断的なPBLカリキュラム)を展開する。 創造性・批判的思考・メタ認知などの能力(21st century skills)が、STEMの文脈の中でどう育成されていくのかについて、教員研修プログラムと併せた形で実践レベルに理論を提供しながら、量的・質的に解明していくことになる。初期には博士課程学生による実践、後半では現場教員による実践が成される形となる。実際に、学校でのカリキュラム、特に総合的な学習の時間等、超領域的な課題に取り組む学習における指導法の検討とその最適化を目指す。前述の課題の解決段階から抽出された問題点を、実証的に解決していく。アクション研究としての研修であるので、各教員の興味・関心・実践によって、見出される知見は異なるが、全体として理科の中でSTEMを実施する場合の課題とその解決が主となる。特に、研究面と児童生徒への実践面の連携を図りながら展開する。
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[Presentation] U24A AGU-JpGU Great Debate2016
Author(s)
Dr. Naomi Oreskes, Dr. Laura A. Guertin, Dr. Peter B. Klemen, Dr. Yoshisuke Kumano
Organizer
AGU-JpGU
Place of Presentation
San Francisco(USA)
Year and Date
2016-12-13 – 2016-12-13
Int'l Joint Research / Invited
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