2016 Fiscal Year Annual Research Report
ロバスト性の高い放射線科学文化の創造 - 放射線ラーニングの新展開
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16H03062
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松田 尚樹 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00304973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 直美 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (00420638)
西 弘大 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10719496)
早瀬 隆司 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (40301361)
熊谷 敦史 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (40448494)
堀口 逸子 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (50338399)
桧垣 正吾 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (50444097)
藤本 登 長崎大学, 教育学部, 教授 (60274510)
北 実 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助教 (60359875)
山内 基弘 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (60437910)
三好 弘一 徳島大学, 放射線総合センター, 教授 (90229906)
角山 雄一 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (90314260)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線教育 / 放射線影響 / 環境放射能 / 被ばく線量評価 / 分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、放射線影響解析のためのラボワークとして、放射性ヨウ素を投与されたマウスのPET/SPECCT/CTによる分子イメージング、低線量放射線照射された細胞における染色体異常の形成をリアルタイムに追う染色体ライブイメージング、及びDNA損傷の生成と修復過程のピンポイント照射による検出を行った。フィールドワークとして、福島県内他の土壌及び農作物試料を採取し、核種分析を実施した。得られた結果、すなわちマウス体内の放射性ヨウ素動態、染色体異常の形成、及びDNA損傷修復が「見える化」されたデータと、フィールド試料の核種分析に基づく被ばく線量推定及び汚染マップを、新たなラーニングコンテンツとして解析、編集し、学内教育(医学部、教養教育)への適用を開始した。 教材として、新たにテキストシリーズ「放射線Mook」の刊行を開始し、平成28年度は「放射線の基礎」他1巻を刊行し、印刷物とともにホームページからのダウンロードも可能とした。コミュニケーションツールとしては、カードゲームを考案し、その英語版の作成を開始した。 研究成果の横への展開と長期的な持続可能性の向上のために他の教育プロジェクトとの連携を積極的に行い、原子力・放射線防災関連プログラム(原子力規制庁)、及び医学教育における放射線健康リスク科学教育プログラム(文部科学省)とのラーニングコンテンツ等の相互乗り入れを実施した。またリスクコミュニケーション技術、メディアリテラシー技術についても、放射線安全管理学会、日本アイソトープ協会等関連学協会の学術大会等の場に置いて議論を深めてきた。 これらの進捗状況の相互確認と今後の計画調整のために研究会議を1回開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラボワークとフィールドワークに当初遅れが生じたものの、ラーニングコンテンツへの編集は計画通りに進んでおり、教育現場への応用も若干の前倒しで進めることができている。また他の教育プログラムとの連携にも予想以上に順調に進んており、その効果が次年度以降に期待できる。その一方、リスクコミュニケーション技術とメディアリテラシー技術についてはうまく消化しきれておらず、ラーニングコンテンツへの取り込みが遅れている。このように進んでいる部分と遅れている部分が混在しているが、次年度以降の足がかりとしては十分と判断し、おおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
ラーニングコンテンツについては特に放射線影響の見える化をさらに進め、放射線Mookに反映させる。 原子力・放射線災害対策、放射線健康リスク科学教育、廃炉作業者教育等、多方面の省庁による教育プロジェクトとの連携をさらに広げ、教育の実践拡大、講師間の交流と教育コンテンツの充実を図る。また、高自然放射線地域におけるフィールのモニタリング研修等の共同教育イベントの開催により、新たな放射線教育の流れを模索する。そのような動きの中で、放射線科学文化創造への道筋を見極める。
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Research Products
(13 results)