2017 Fiscal Year Annual Research Report
語彙学習の概念を変える3次元語彙力診断テストと発表語彙学習システムの開発
Project/Area Number |
16H03076
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
竹蓋 順子 千葉大学, 高等教育研究機構, 准教授 (00352740)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 充 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (00323428)
高橋 秀夫 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (30226873)
与那覇 信恵 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (30522198)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 英語語彙力診断システムの開発 / 新JACET8000の頻度情報を使用 / 3種の英単語テストの比較実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的のひとつは、妥当性、信頼性が高く、さらに語彙学習に対する積極的姿勢を促進できる、日本人英語学習者のための語彙力診断システムを開発することである。このため、まずはこれまでの語彙力診断テストに関する先行研究を調査した。語彙のテストとして一般的に普及している語彙サイズテストの枠を超え、Nation(1990)や望月他(2003)の語彙サイズテストを、語彙知識の深さを測定するテストとしては杉森(2011)を、そして語彙知識の流暢さを測定するテストとしてはZhang(2012)があるが、それらが相互に干渉しないよう組み合わせる形で英語語彙力を総合的に診断できるテストの仕様、診断結果の出し方のロジック、提示方法等について検討し、語彙力診断システムのプロトタイプシステムを開発した。 頻度情報のある語彙リストとしては新JACET8000(大学英語教育学会基本語改訂特別委員会 2016)を採用し、L1からL8までの各語彙レベルにつき40問ずつテスト項目を作成した。語彙サイズレベルの判定基準は Nation (1990,2001)に準じ、各語彙レベルで8割正解した場合、その語彙レベルを習得していると判断した。年度末には、システム試用に向けてプロトタイプシステムのデバッグ作業を行った。本システムは、完成後に広く一般に使用してもらえるように、PC、スマートフォン、iPadなどのタブレットで動作保証されるHTML5で制作している。 また、本研究でWebシステムを開発するのと並行して、市販のテスト作成システムを利用して広く普及している英単語テストを3種類作成し(Yes/No形式、和訳選択形式、統制的発表語彙をテストする再認式文章完成形式テスト)、比較実験を行った。これと同様の実験は来年度以降も継続し、開発する診断システムの診断結果の提示方法をさらに深く検討するための材料とする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、平成29年度から4年間で英語語彙力診断システムと、語彙学習システムを開発する計画である。当初計画では、初年度である平成29年度に語彙力診断システムのプロトタイプを開発し、平成30年度は、そのプロトタイプを完成させるのと並行して、語彙学習システムのプロトタイプを開発し、平成31年度にそのプロトタイプを完成させ、最終年度まで両システムの効果検証を継続した上で一般公開する、という流れで考えていた。この中で、初年度である平成29年度は、予定通り、語彙力診断システムのプロトタイプを開発できたため、本研究はおおむね順調に進展している、と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、語彙力診断システムの開発と、語彙学習システムの開発という2本の柱から成る。 まず、語彙力診断システムについては、平成29年度に開発したプロトタイプシステムを研究代表者や研究分担者が所属する大学で試用することで、システムの妥当性、信頼性を検証する。また、診断システムの診断結果の提示方法を検討する材料とするため、市販のテスト作成システムを利用して、語彙のサイズだけでなく、深さ、速さを測定するテストを作成し、比較実験を行う。これと並行して、予算の都合で平成30年度の開発することにした機能(管理者モードの実装、テスト項目の入れ替え権限の実装、診断レポートの表示ロジックと表示方法の改修、など)について実現する。 次に、語彙学習システムについては、教育関連の学術論文、既存の語彙力診断テストおよび語彙力養成用ソフトウェアやアプリから、学ぶべき事柄を収集する。その上で、既に開発されているシステムも含めて厳密な評価を行い、学習効果及び効率をさらに高めることを目指し、実装すべき機能やインタフェースについて吟味、策定する。平成30年度は策定した仕様に基づいて語彙学習システムのプロトタイプを開発し、デバッグ作業を行い、平成31年度の試用に向けて作業を進める予定である。
|
Remarks |
上記、英単語力診断システム「VOICE」はプロトタイプであり、平成30年度に改修する予定である。
|
Research Products
(2 results)