2019 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の海外技術援助・協力に関する科学技術史研究
Project/Area Number |
16H03096
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
愼 蒼健 東京理科大学, 工学部教養, 教授 (50366431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
宮川 卓也 広島修道大学, 人間環境学部, 助教 (00772782)
泉水 英計 神奈川大学, 経営学部, 教授 (20409973)
塚原 東吾 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 科学史 / 技術史 / 医学史 / 気象学史 / 帝国 |
Outline of Annual Research Achievements |
8月に韓国・全羅北道の全北大学で開催された2019ICHSEA(国際東アジア科学史会議)にて、代表者・分担者の5名全員が成果発表を行った。 (1) 泉水はアメリカ占領下沖縄の結核対策に関する成果を、(2)宮川は初期冷戦下の琉球諸島と台風の関係に関する成果を、(3)愼は戦時期日本における生理学者・臨床医・漢方医の共同戦線の誕生と「敗戦後」との関係に関する成果を、(4)は塚原は20世紀初頭日本の農業気象学に関する成果を披露し、(5)藤原は食問題の担当者として学校給食を通じてに日本史を読み直すという、刺激的な発表を行った。(1)、(2)を通じて、日本の戦時期と戦後という乱暴な対比から、科学史・医学史においてもアメリカ占領下の沖縄が抜け落ちていることを再確認するだけでなく、例えば沖縄から結核コントロールを見る視座の重要性が浮かび上がってきた。本研究の大きな成果であろう。 また、本研究の国外研究協力者であるアーロン・モーアの著作『大東亜を建設する:帝国日本の技術とイデオロギー』(人文書院)を翻訳出版し、本研究の問題意識を共有する著作を世に問うことができた。モーア氏は残念ながら8月の国際会議後に急逝したが、引き続き『大東亜を建設する』を議論の同伴者としていく。 3月に予定していた最終年度研究会は新型コロナウィルスの感染拡大の影響で中止となったが、交付申請書に示した「本年度の研究実施計画」は研究成果の公表という観点からは十分に完遂できたと考えている。しかし、モーア氏が提示した冷戦下日本の海外「援助」と帝国日本の関係性に関する大きなディスカッションができなかった点は悔やまれる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(27 results)